東京近郊の森林浴スポット8選|森林セラピー認定・自然共生サイト認証を公式情報で確認【2026年版】

「森林浴がしたい」という言葉を、旅行サイトでもSNSでも目にする機会が増えました。東京近郊にも、認定されたセラピーロードを歩けるエリアや、科学的な検証を経てプログラムを提供している施設が、いくつかあります。

ただ、「緑が多い」「自然の中にある」という理由だけで森林浴や癒しを名乗る場所も少なくありません。「癒し」という言葉は証明が難しく、何を根拠に選べばいいか迷うのが正直なところです。

この記事では、NPO法人森林セラピーソサエティによる認定や、環境省「自然共生サイト」認証など、第三者機関の評価を公式サイトで確認できた場所に限って紹介します。施設の優劣を判断するものではなく、「自分の目的に合うかどうか」を考えるための材料として読んでもらえると幸いです。どこにも行かないという選択も、もちろんあります。

編集部の選定基準

掲載されていない場所が取り組みをしていないわけではありません。「公式情報として確認できたかどうか」を一貫した基準にしています。

  • 森林セラピーソサエティによる認定 NPO法人森林セラピーソサエティが認定する「森林セラピー基地」または「森林セラピーロード」として登録されており、認定の事実が公式に確認できること
  • 有資格ガイドによるプログラムの提供 森林セラピーアシスターまたは自然ガイドが同行するプログラムを、施設または運営団体の公式サイトで案内していること
  • 第三者機関による認証 環境省「自然共生サイト」(OECM)など、国・国際機関の第三者認証を取得し公式に公表していること
  • 環境保全への具体的な取り組みの開示 在来種の保護、無農薬管理、生物多様性保全など、取り組みの内容と根拠を公式サイトで確認できること

掲載情報は2026年5月時点の一次情報(公式サイト・認定機関ページ)に基づいています。

関連記事:森林浴とは?言葉の由来・科学的な効果・ なぜ今わざわざ森に行くのかを考える

施設紹介

1. おくたま地域振興財団 奥多摩森林セラピー

場所|多摩西部・奥多摩エリア(東京都)/JR青梅線 奥多摩駅集合、都心から約2時間

施設の特徴

2008年、奥多摩町が東京都内で最初に「森林セラピー基地」の認定を受けました。「森林セラピー基地」はフィールド全体を対象とする認定です。同じ東京都内の檜原村が受けた「森林セラピーロード」(特定の歩道を対象とする認定)とは種別が異なります。町内には5本のセラピーロードがあり、一般財団法人おくたま地域振興財団がガイドツアーを定期運営しています。

公式情報で確認できた体験・取り組み

奥多摩駅集合で、認定を受けたセラピーアシスターとともにロードを歩くガイドツアーを定期開催。希望者は血圧測定も受けられます(オプション)。森林ヨガ、そば打ち、陶芸体験など、季節ごとのプログラムも各種あります。開催日程は時期によって変わりますので、詳細は公式サイトで確認してください。

セラピーを体験した後の宿泊先として、奥多摩町は「癒宿(ゆやど)」という認定制度を設けています。財団の公式サイトに掲載されている4軒の内訳は次のとおりです。鳩ノ巣渓谷沿いの「はとのす荘」(地元食材のイタリアンコース)、奥多摩駅徒歩5分の「荒澤屋旅館」(囲炉裏のある和風空間)、奥多摩駅徒歩3分の「玉翠荘」(多摩川を見下ろす客室)、鳩ノ巣渓谷沿いの「山鳩山荘」(中高年の登山者に多く利用)。いずれもセラピーガイドを独自には提供しておらず、ガイド同行は財団プログラムへの参加が前提です。

向いている人

定期的に森に通いたい方。都心から日帰りで本格的なガイドウォークを体験したい方。財団は親子ツアーも開催しており、大人と子どもがそれぞれのプログラムに分かれて参加できます。

注意点

奥多摩のセラピーロードは勾配があるものが多く、登計トレイル以外はゆるやかではありません。体力に不安がある方は事前にコース情報を確認してください。癒宿の認定状況は変わっている場合がありますので、最新情報は財団サイトで確認を。

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2. 古民家の宿 山城 / 東京都檜原都民の森

場所|檜原村・数馬エリア(東京都)/JR武蔵五日市駅よりバス約60分「数馬」下車・徒歩1分

施設の特徴

数馬の里に代々受け継がれてきた古民家の宿。完全予約制で1日1〜2組限定。文化庁の登録有形文化財として登録されていると宿の案内に記載があります(文化庁データベースでの個別確認を推奨します)。宿から4km先に「東京都檜原都民の森」があります。

檜原村は、2007年に東京都内で最初に「森林セラピーロード」の認定を受けたエリアです。「森林セラピーロード」は特定の歩道を対象とする認定で、フィールド全体を対象とする「森林セラピー基地」とは認定の種別が異なります。

公式情報で確認できた体験・取り組み

数馬バス停から無料連絡バスで約8分。宿の公式サイトに都民の森へのアクセス方法の記載があります。

都民の森は197ヘクタールの山岳森林公園。標高1,000〜1,500mのブナの自然林を、5つのゾーンに分けた遊歩道で歩けます。木工芸センターでは予約なしで木工体験も可能。原則月曜休園です。

山城自体はガイドプログラムを持っていません。ただ、1日1〜2組という規模が静けさを保ちます。秩父多摩甲斐国立公園の山深い集落で、長い年月を経た古民家に身を置く時間は、森を歩く前後に独自の密度をもたらします。

向いている人

都市からまったく離れた静けさを求める方。森を歩く前後に、深い時間をゆっくり過ごしたい方。古民家の空間に関心がある方。

注意点

山城自体は森林セラピーの認定施設ではなく、檜原村の認定セラピーロードに近接した宿です。都民の森のセラピーロード詳細・ガイドプログラムは都民の森公式サイトで確認してください。テレホンサービス:042-598-6700。

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3. 箱根芦ノ湖森林セラピー基地(森のふれあい館)

場所|箱根・芦ノ湖西岸エリア(神奈川県)/箱根町立 森のふれあい館

施設の特徴

2016年3月、箱根町の芦ノ湖周辺エリアがNPO法人森林セラピーソサエティから「箱根芦ノ湖森林セラピー基地」として認定を受けました。拠点は「箱根町立 森のふれあい館」。九頭竜の森と箱根やすらぎの森の2本のセラピーロードが整備されています。

公式情報で確認できた体験・取り組み

箱根やすらぎの森のロードはほぼ平坦で、介助があれば車椅子でも入れる広場があります。森のふれあい館では唾液アミラーゼ測定によるストレスチェックを体験できます。工芸体験や園内クイズラリーもあり、子どもが森に親しむきっかけとしても使える場所です。「はこねのもりコンソーシアムジャパン(はこじょ)」が定期的に、ガイド付き森林ウォークや森ヨガなどのセラピーイベントを開催しています。

園内の植物・野鳥については、施設が調査データを公開しています。種数などの最新の数値は公式サイトでご確認ください。

向いている人

森林セラピーを初めて体験したい方。体力に不安がある方、介助付きで車椅子を使用している方。小さな子ども連れ。箱根観光とあわせて森を歩きたい方。

注意点

「箱根芦ノ湖森林セラピー基地」の認定エリアは芦ノ湖西岸(湖尻・九頭竜の森)です。強羅や温泉街のエリアとは場所が大きく異なります。セラピーイベントの日程・参加費は時期によって変わります。公式サイトで最新情報を確認してください。

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箱根町立 森のふれあい館
箱根町 セラピー情報

4. 箱根強羅温泉 瑞の香り

場所|箱根・強羅エリア(神奈川県)/箱根登山ケーブルカー 早雲山駅から徒歩約15分

施設の特徴

箱根・強羅の早雲山別荘地の最奥に立つ、全7室の温泉旅館。大涌谷から引いた乳白色のにごり湯を源泉かけ流しで提供しています。

公式情報で確認できた体験・取り組み

この宿ならではの体験が「ファンゴセラピー」。ファンゴとはイタリア語で温泉泥のこと。大涌谷の源泉を一定期間かけ流して熟成させた「ビオファンゴ」を温熱パックとして使います。公式サイトには「関東でファンゴセラピーを体験できる宿はここだけ」とあります。この表現は宿自身の公式表記で、第三者機関による確認ではありません。料金・メニューの詳細は公式サイトで要確認です。

明星ヶ岳を望む露天風呂では、山の稜線に四季の表情が変わります(冬季12〜3月はクローズ)。山々に囲まれた静かな環境は、別荘地の最奥という立地がもたらすものです。

向いている人

温泉と身体的な回復を目的にした滞在を求める方。ファンゴセラピーを体験したい方。静かな隠れ家的な空間を探している方。

注意点

この宿は森林セラピーソサエティの認定フィールドとは直接関係しません。箱根の森林セラピー認定エリア(芦ノ湖西岸)とは場所も異なります。ファンゴセラピーは事前予約を推奨。料金・空き状況は公式サイトで要確認です。

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5. 神奈川県立 七沢森林公園

場所|厚木・七沢エリア(神奈川県)/小田急線 本厚木駅よりバス「広沢寺温泉入口」下車・徒歩約7分

施設の特徴

面積64万4,000㎡、神奈川県最大規模の都市公園。NPO法人森林セラピーソサエティの掲載エリアに含まれています。宿泊施設はありません。

公式情報で確認できた体験・取り組み

公園公式サイトに、定期的な里山保全活動への参加案内があります。雑木林の手入れを自ら行い、伐り出した薪で野外料理を作る活動で、観光プログラムとは性格が異なります。森の維持に手を動かして直接かかわる、継続的な取り組みです。参加費・開催頻度は変わる場合がありますので、最新情報は公式サイトで確認してください。

「森のアトリエ」では陶芸・木工体験もできます。「森の民話館」では昔話を聞くことも。4月の桜、5月のシャクナゲ、6〜7月のアジサイ、晩秋の紅葉と、季節ごとに表情が変わります。

向いている人

森の保全活動に参加したい方。手を動かしながら自然とかかわりたい方。家族連れ、日帰りで気軽に里山を歩きたい方。

注意点

公園内に宿泊施設はありません。近隣に七沢温泉の旅館があります。ガイド付きセラピーウォークの詳細は公園管理事務所(046-247-9870)または公式サイトで確認を。

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神奈川県立 七沢森林公園

6. きたもと森林セラピー(サンアメニティ北本キャンプフィールド)

場所|北本エリア(埼玉県)/JR高崎線 北本駅よりバスまたは徒歩

施設の特徴

埼玉県内で最初に認定された都市型の森林セラピー基地。北本自然観察公園に隣接し、武蔵野の雑木林の面影を残す平坦な森が広がっています。拠点施設はサンアメニティ北本キャンプフィールドで、日帰り体験とキャンプ泊の両方に対応しています。

公式情報で確認できた体験・取り組み

有資格のガイドが引率するセラピーツアーを定期開催。ケヤキの森に寝転んで大地を背中で感じる「フォレストブレイク(安息の時間)」が体験のひとつです。プログラム名称や内容は時期によって変わることがありますので、最新の日程・内容は公式サイトで確認してください。

木道とウッドチップが敷かれたロードは起伏が少なく、体への負担を抑えた設計です。都心から約1時間というアクセスで、週末の延長線上に本物の森を体験できます。

向いている人

森林セラピーに初めて触れたい方。子ども連れ、高齢の方(平坦なロードが整備されています)。アクセスの手軽さを重視する方。セラピー体験とキャンプ泊を組み合わせたい方。

注意点

ツアーの日程・予約は公式サイトで要確認。キャンプ場の利用にはキャンプサイトの予約が別途必要です。

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7. 大房岬自然公園(キャンプ場)

場所|南房総・富浦エリア(千葉県)/富津館山道路 富浦ICから車で約8分、またはJR内房線 富浦駅

施設の特徴

2014年3月、南房総市が千葉県内で最初に「森林セラピー基地」の認定を受けました。大房岬自然公園はその認定エリアの一部。ビジターセンター・展望台・キャンプ場・宿舎が整備されています。

公式情報で確認できた体験・取り組み

「海と森のセラピープログラム」を通年提供しています。公園内の遊歩道を地元ガイドが案内。マテバシイの照葉樹林のなかでハンモックに揺られ、海辺ではビーチコーミングをしながら、鳥の声・木漏れ日・潮の香りを五感で感じるコースです。定員は1〜80名、予約は3日前まで。連絡先は電話 0470-28-5307またはメール info@cm-boso.com。料金は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトで確認してください。

キャンプ場は第1・第2の2か所。岬の上で海を眺めながら一夜を過ごすこともできます。

向いている人

森と海を一度に感じたい方。首都圏から日帰り〜1泊の自然体験を探している方。グループや家族連れ(定員の幅が広い)。

注意点

キャンプ場は団体貸切や整備作業で利用できない日程があります。事前に公式サイトで確認してください。

公式サイト

大房岬自然公園
セラピー情報(南房総市)

8. 萌木の村 ホテル ハット・ウォールデン

場所|清里・八ヶ岳南麓エリア(山梨県)/JR小海線 清里駅より徒歩約10分

施設の特徴

清里高原「萌木の村」の敷地内に建つクラシックホテル。2025年2月、敷地全体に広がる庭「ナチュラルガーデンズMOEGI」が環境省の「自然共生サイト」(OECM)に認定されました。環境省の公表時点では山梨県内4例目、北杜市では初の認定です(最新の認定リストは環境省公式サイトで確認してください)。

公式情報で確認できた体験・取り組み

ナチュラルガーデンズMOEGIは、ランドスケープデザイナーのポール・スミザー氏の監修のもと2012年から整備された、約32,000㎡の庭です。完全無農薬・無化学肥料で管理し、絶滅危惧種を含む700種以上の植物が育っています。

「自然共生サイト」(OECM)は、国際社会の「30by30目標」(2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する目標)に対応するため、環境省が設けた制度です。民間の取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域を認定します。

宿泊者は敷地全体のガーデンを散策できます。5〜11月には「ガーデントーク」(インフォメーション庭tekutekuにて、無料)も開催。野菜ソムリエの料理長が地元野菜・果物を使った創作コースディナーを手がけています。

向いている人

植物や生物多様性に関心がある方。第三者認証のある施設に泊まりたい方。八ヶ岳の高原でゆっくり過ごしたい方。

注意点

ホテルは1〜3月に休館日あり。ガーデントークの開催日程は公式サイトで要確認。森林セラピーソサエティの認定フィールドではなく、環境省「自然共生サイト」として認証された施設です。

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補足|この記事を読んだあとに確認してほしいこと

「森林セラピー基地」と「森林セラピーロード」はどちらもNPO法人森林セラピーソサエティによる認定ですが、種別が異なります。「基地」はフィールド全体、「ロード」は特定の歩道を対象とする認定です。また、認定はエリアに対して与えられるものです。そのエリアにある個々の宿泊施設や飲食店が自動的に認定を受けているわけではありません。この記事で認定に触れている箇所は、各施設が認定エリア内または近接地にあることを示しており、施設自体への認定ではありません。

掲載した情報はすべて2026年5月時点のものです。認定の有効性、プログラムの内容、料金、営業状況は変わることがあります。訪問前に各施設の公式サイトまたは認定機関のページで最新情報を確認してください。

認定の仕組みや認定地の一覧はNPO法人森林セラピーソサエティの公式サイトで確認できます。

さいごに

「森林浴」という言葉が最初に使われたのは40年以上前のことです。それから研究が積み重ねられ、認定制度が整備され、ガイドが育ち、プログラムが生まれてきました。今回紹介した場所はそれぞれ、そのプロセスの一部に関わっています。

奥多摩の認定ロードを歩くことも、南房総の岬でハンモックに揺られることも、清里の無農薬の庭で名前を知らない植物の前に立ち止まることも——それぞれに異なる問いを持ち帰るはずです。

あなたが東京近郊の森に求めているものは、何でしょうか。

Mariko
Mariko

小林真梨子|日本在住のエコライター。2018年よりサステナブルな暮らしを実践。パリ第四大学(ソルボンヌ)で分析・言語哲学の修士を取得。哲学的視点から、倫理的消費・エコライフスタイルをリサーチベースで発信する独立メディア「エコ哲学」を運営。