「無添加」「地球にやさしい」というコピーは、ドラッグストアの洗剤棚を見渡せばほとんどのボトルに書いてあります。でも、その言葉を誰が保証しているのかまで書いてある商品は、実はそう多くありません。
もう一本、洗濯洗剤を選び直そうと思っているなら、この記事が役に立つかもしれません。日本で購入できるブランドを対象に、第三者機関による認証の有無を軸に、公式サイトで確認できた情報だけをもとに7ブランドを紹介します。自社基準やLCA(ライフサイクルアセスメント)のみで「環境にやさしい」と謳う商品は、今回はあえて外しています。確認できなかった項目は、そのまま「確認できず」と書いています。
Quick Summary:目的別おすすめはこれ
| 目的 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 認証の数をまとめて確認したい | ecostore | RSPO・B Corp・PETAの3種類の第三者認証を公式サイトで確認 |
| RSPO認証を国内ブランドで探したい | ヤシノミ濃縮タイプ | RSPO認証マーク取得。本体1本で約70回使用できる濃縮設計 |
| せっけんベースで無添加を重視したい | アラウ.洗たく用せっけん | RSPO認証。合成界面活性剤・蛍光剤・漂白剤・合成香料・着色料・保存料無添加 |
| 手頃な価格帯で認証つきを選びたい | ハッピーエレファント コンパクト | RSPO認証。石油系界面活性剤・蛍光増白剤・漂白剤・合成香料・着色料無配合 |
| 海外の有機認証を確認したい | SONETT | NCP・CSE・Vegan認証取得。有機栽培原料を使用 |
| 動物実験不実施の認証を重視したい | エコベール 濃縮タイプ | リーピングバニー認可に加え、B Corp認証も公式サイトで確認 |
| すすぎ0・電力0洗濯を試したい | All things in Nature | RSPO認証パーム油を使用。すすぎ0・電力0洗濯にも対応 |
まず知っておきたい:選定基準
この記事では、以下の7つの視点をもとにブランドを調べました。「公式サイトで確認できたかどうか」が基準であり、掲載されていないブランドが取り組みをしていないわけではありません。
- 第三者認証の有無 事業者の自己申告ではなく、独立した機関による検証があるか(RSPO、B Corp、PETA、NCP、リーピングバニーなど)。
- 有害物質の使用制限 石油系界面活性剤・蛍光増白剤・合成香料・着色料などの不使用が公式に明記されているか。
- 生分解性・水環境への配慮 排水後の生分解性について公式サイトに説明があるか。
- 原料調達の持続可能性 再生可能資源の比率や、パーム油などの調達方針が公式に説明されているか。
- 容器包装のリサイクル性 再生プラスチック・詰め替えパウチ・FSC認証紙などの使用が公式で確認できるか。
- 濃縮設計・資源削減 濃縮タイプや詰め替え設計による資源削減が公式に説明されているか。
- 洗浄性能とのバランス 少量・低温洗浄でも十分な洗浄力があるという記載が公式にあるか。
このうち今回は特に「第三者認証の有無」を絞り込みの基準にしています。自社のLCA基準や自主開発の環境基準のみを根拠にしている商品(たとえば大手メーカーの濃縮洗剤の一部)は、他の基準を満たしていても今回は掲載を見送りました。掲載情報は2026年7月時点で確認した一次情報(各ブランド公式サイト)に基づいています。
関連記事:なぜ「環境に優しい洗剤」が注目されているの?成分から選び方までやさしく解説
おすすめの洗濯洗剤7選
1. ecostore(エコストア)
🔍 RSPO認証パームオイル 🏢 B Corp認証(2021年取得) 🐰 PETAの保証声明に署名(cruelty-free) ♻️ サトウキビ由来シュガープラスチック+NZ国内回収リサイクルプラの混合ボトル 📦 FSC認証紙パッケージ 🚫 石油系界面活性剤・合成香料・合成着色料FREE
ニュージーランド発のブランドで、今回調べた6ブランドのなかで第三者認証の種類が最も多いのがecostoreでした。
パーム由来原料には、持続可能なパームオイルの調達を検証するRoundtable on Sustainable Palm Oil(RSPO)の認証を使用。公式サイトの「Our palm policy」ページでは、パームオイルが引き起こす熱帯雨林破壊やオランウータンの生息地問題に触れながら、なぜRSPO認証油を選んでいるのかが書かれています。
さらに、企業全体の社会・環境・ガバナンスへの取り組みを審査するB Corp認証を2021年に取得しています。動物実験についても、原料・処方・完成品のすべてで実施も委託もしないと、PETAに対して保証声明という形で署名しています。製品単体の認証にとどまらず、企業としての姿勢そのものが第三者の枠組みで裏付けられているのが、このブランドの厚みです。
ボトルはサトウキビ由来のシュガープラスチックとニュージーランド国内で回収されたリサイクルプラスチックの混合素材(バルクタイプの5kg・5L・20Lは通常のHDPE)。紙パッケージはすべてFSC認証紙を使用しています。ランドリーリキッドは濃縮タイプで、商品ページには石油系界面活性剤・合成香料・合成着色料が入っていないことが明記されています。
エディターの視点: RSPOは原料調達、B Corpは企業全体、PETAは動物実験不実施と、それぞれ性質の異なる第三者認証が3つ揃っているのは、他のブランドにはない厚みです。「第三者認証があるかどうか」を軸に選ぶなら、まず候補に入れておきたいブランドです。
トレードオフ: 原産国はニュージーランドのため輸入品です。生分解性の定量データや、すすぎ回数・低温洗浄時の洗浄力についての具体的な記載は、今回確認した商品ページでは見当たりませんでした。
人にも環境にもやさしいエコストア2. ヤシノミ 洗たく洗剤 濃縮タイプ(サラヤ)
🔍 RSPO認証マーク取得 🚫 石油系界面活性剤・蛍光剤・漂白剤・合成香料・着色料・抗菌剤 無添加 🌱 ヤシの実由来の植物性洗浄成分100% ♻️ 排水後は微生物によって分解 💧 濃縮タイプ・本体1本で約70回使用可能 ⏱️ すすぎ1回対応
1971年発祥のヤシノミブランドから生まれた濃縮タイプの洗たく洗剤です(1971年はブランド第一号商品である食器用洗剤の発売年で、洗たく洗剤自体の発売年ではありません)。公式サイトにRSPO認証マークが明記されており、環境と人権に配慮して生産された認証パーム油の普及を支援していることが確認できます。
石油系界面活性剤・蛍光剤・漂白剤・合成香料・着色料・抗菌剤はすべて無添加です。排水後は微生物によって水と二酸化炭素に分解されると公式サイトで説明されています。本体ボトル1本(520mL)で約70回使用できる濃縮設計で、すすぎ1回で時短・節水にもつながるとのこと。売上の1%をボルネオ島の環境保全活動に充てる仕組みも公式に明記されています。
エディターの視点: RSPO認証だけでなく、原料生産地であるボルネオ島への還元まで一続きで説明されているのが特徴です。認証を取って終わりではなく、その先に何を支援しているかまで公式サイトで追える設計になっています。
トレードオフ: RSPO以外の第三者認証(B CorpやCruelty Freeなど)については、公式サイトでの記載は確認できませんでした。容器素材にどの程度リサイクル・植物由来樹脂が使われているかは、商品ラインによって記載の有無が分かれています。
3. アラウ.洗たく用せっけん(サラヤ)
🔍 RSPO認証取得 🚫 合成界面活性剤・蛍光剤・漂白剤・合成香料・着色料・保存料 無添加 🌱 100%植物うまれの純せっけん成分 ♻️ 排水後は微生物によって分解 📦 詰め替えパウチ展開(1L・2L・950mLなど)
サラヤの「アラウ.」ブランドのせっけんベースの洗たく用洗剤です。RSPO認証を取得し、普及を支援していることが公式サイトに明記されています。合成界面活性剤・蛍光剤・漂白剤・合成香料・着色料・保存料は無添加で、排水後は微生物によってすばやく分解されるとの説明があります。売上の一部は国際NGOセーブ・ザ・チルドレンを通じて、アフリカ・ウガンダの子どもたちの衛生や健康改善に使われるとのことです。
エディターの視点: せっけんベースで洗浄成分がシンプルな点は、無添加を重視する人には安心材料になりそうです。濃縮タイプの洗剤と比べると1回あたりの使用量はやや多めですが、その分、何が入っているかの見通しがよい洗剤とも言えます。
トレードオフ: せっけんベースの処方のため、濃縮タイプの液体洗剤のような「1回あたりの使用量の少なさ」を訴求する記載は見当たりませんでした。RSPO以外の第三者認証は今回確認できていません。
4. ハッピーエレファント 液体洗たく用洗剤 コンパクト(サラヤ)
🔍 RSPOマーク取得 🚫 石油系界面活性剤・蛍光増白剤・漂白剤・合成香料・着色料 無配合 🌱 天然洗浄成分ソホロ+非石油系植物性洗浄成分 ♻️ 容器の一部に植物由来樹脂使用 💧 濃縮タイプ
普段着からおしゃれ着まで1本で洗える、中性の濃縮液体洗剤です。商品ページにRSPOマークが表示されており、容器の一部には植物由来の樹脂を使用していることも確認できます。石油系界面活性剤・蛍光増白剤・漂白剤・合成香料・着色料は無配合。天然洗浄成分「ソホロ」と非石油系の植物性洗浄成分で作られたナチュラル処方で、排水は微生物によって分解されるとの説明があります。
エディターの視点: ウール・シルクなどのおしゃれ着まで1本でカバーできる点は、洗剤を何本も使い分けたくない人には実用面でのメリットになります。RSPOマークが商品ページ上で確認できる点も含め、価格帯を抑えつつ認証の裏付けもある選択肢です。
トレードオフ: 公式製品ページではすすぎ2回を推奨しており、すすぎ1回対応をうたう他ブランドの濃縮洗剤とは条件が異なります。RSPO以外の第三者認証、生分解性の定量的なデータは今回確認できていません。
5. SONETT(ソネット)
🔍 NCP認証・CSE認証・Vegan認証取得 🌱 有機栽培原料(有機ラベンダー等)を配合 🇩🇪 ドイツ発のブランド
ドイツ発の洗剤ブランドで、NCP(Nature Care Product)・CSE・Veganという3種類の認証を取得していることが商品ページに明記されています。純石けん分やアルキルグルコシドを中心とした処方で、香料には有機栽培のラベンダー精油などを使用。海外の有機・自然派認証を軸に選びたい場合の候補になります。
エディターの視点: NCPはドイツの自然派化粧品・洗剤向けの認証で、RSPOとは異なる切り口の第三者認証です。国内ブランドのRSPO認証と組み合わせて紹介することで、認証の種類そのものにも幅を持たせられる商品です。
トレードオフ: 公式の取り扱いページ(輸入代理店経由)ではすすぎ2回以上を推奨しており、少ない使用量や低温洗浄時の性能についての具体的な記載は確認できませんでした。原料の生分解性についての定量データも今回は見当たりませんでした。
6. エコベール ランドリーリキッド 濃縮タイプ
🔍 リーピングバニー認可(クルエルティーフリーインターナショナル) 🏢 B Corp認証(欧州初取得) 🌱 植物由来洗浄成分(ヤシ油・パーム油等) ♻️ ボトルは植物由来プラスチック75%+再生プラスチック25%
1979年創業のベルギー発ブランドです。公式サイトによると、創業以来一度も動物実験を行っておらず、動物実験の廃止を求める非営利組織による国際基準「リーピングバニー」の認可も受けているとのことです。さらに公式サイトの別ページでは、エコベールが欧州で最初にB Corporationの認定を受けたブランドだと説明されており、B Corp認証(企業全体の社会・環境基準の審査)も取得しています。洗浄成分はヤシ油・パーム油などの植物油脂由来です。
エディターの視点: リーピングバニー(動物実験不実施)とB Corp(企業全体の社会・環境基準)という、性質の異なる2つの第三者認証を公式サイト上で確認できました。ecostoreと同様に、単一の認証だけでなく複数の切り口を組み合わせている点が特徴です。
トレードオフ: ボトルの再生プラスチック比率は、公式情報によると植物由来プラスチック75%と再生プラスチック25%の組み合わせで、100%再生プラスチックではありません。同ブランドは過去に「100%再生プラスチック化」を将来目標として掲げていた時期がありますが、現行製品での達成は確認できませんでした。すすぎ回数についても2回を推奨する記載があり、購入前に商品名・パッケージ(濃縮タイプかZEROタイプか)を確認しておくと安心です。
7. All things in Nature(スローヴィレッジ)
🔍 RSPO認証(マスバランス方式)パーム油 ⏱️ すすぎ0・電力0洗濯対応 🌊 売上の一部をビーチマネー(海洋保全活動)に寄付
「からだによいもの。こころによいもの。」を掲げる通販サイト、スローヴィレッジが企画・販売するオールインワン洗剤です。公式サイトには、環境や社会問題に配慮したRSPO認証(マスバランス方式)の持続可能なパーム油を使用していると明記されています。もとはエコ洗剤メーカーであるがんこ本舗の洗濯用洗剤をベースに、スローヴィレッジがオリジナル企画として販売している商品です。2023年冬の改良ですすぎ0に加えて電力0洗濯にも対応するようになりました。売上の一部は、湘南エリアで2006年から続くビーチグラスの地域通貨「ビーチマネー」を通じて、海洋保全の活動に充てられています。
エディターの視点: がんこ本舗の技術をベースにしながら、RSPO認証パーム油の使用という形で原料調達まで踏み込んで説明されている点が、他の企画商品と違うところです。地域の海洋保全活動への寄付という、購入後の使い道まで見える設計も特徴的です。
トレードオフ: RSPO以外の第三者認証(B CorpやNCPなど)については公式サイトで確認できませんでした。生分解性についても具体的な数値データの記載は見当たらず、「排水後の分解」に関する説明は定性的な表現にとどまっています。
公式サイトで詳しく見る濃縮タイプ・詰め替えをもっと活用するために
新しい洗剤を選ぶ前に、いま使っている洗剤の使い方を少し見直せるかもしれません。
計量が面倒に感じるなら。 濃縮タイプは使用量が少ない分、計量スプーンやキャップの目盛りを使うと適量を守りやすくなります。使いすぎは洗浄成分の残留や排水への負荷にもつながります。
すすぎ回数に迷ったら。 「すすぎ1回対応」をうたう商品と「すすぎ2回推奨」の商品が混在しています。パッケージの表示は商品ごとに異なるため、購入時に確認しておくと洗濯機の設定で迷いません。
容器を使い切ったら。 詰め替えパウチ・リフィルコンテナに対応しているブランドが多いので、本体ボトルは洗って乾かしてから詰め替えると長く使えます。
さいごに
7ブランドを調べてみて感じたのは、「第三者認証がある」という一点だけでも、確認できるブランドはまだ限られているということです。今回除外した大手メーカーの洗剤の多くは、自社のLCA基準に基づいて環境負荷の低減に取り組んでおり、それ自体を否定するものではありません。ただ、その基準を検証しているのが誰なのかは、選ぶ側が知っておいてよい情報だと思います。
どの認証を重視するかは、人によって違います。RSPOのような原料調達の認証を見るか、B Corpのような企業全体の認証を見るか、リーピングバニーのような動物実験不実施の認証を見るか。
あなたが洗剤を選ぶときに、いちばん確かめたいのはどの部分ですか。
掲載情報は各ブランドの公式サイトに基づき、2026年7月時点で確認しています。価格・仕様・パッケージ内容は変更される場合がありますので、購入前に各公式サイトでご確認ください。










