秋の食材といえば?旬の一覧と、作った人が分かる産直の選び方

食欲の秋と言われるように、日本の秋には旬の食材がたくさんあります。けれど、スーパーに行くと、旬ではないものも一緒に並んでいます。

棚の前で、いま何が旬なのか迷ったことはありませんか。秋の旬ではないのに、つい手に取ってしまうものもあります。

旬が分からなくなるのは、売り場が「いつ・どこで・誰が」を並べる場所ではないから。同じ栗でも、どこで買うかで、手元に届く情報が変わります。

この記事では、まず秋の食材を一覧にし、買う場所によって何が変わるのかを見ていきます。最後に紹介するのは、選定基準に照らして選んだ産直の出品4点です。確認できたことも、確認できなかったことも書きました。

早わかり:こだわりで選ぶ

野菜や果物を買うとき、何をいちばん大事にしたいですか。作った人が分かるか、食べきれる量で買えるか、ごみが少ないか。こだわりごとに、合う買い方を表にまとめました。

こだわり買う場所理由
作った人の名前と畑の場所を知りたい産直 EC(食べチョク・ポケットマルシェ)直売所産直 EC は、出品ページに生産者の名前と市町村が出ていることが多くあります。何かあったときに、誰に聞けばいいかが分かります
形のそろわないものを引き受けたい産直 EC小ぶり・キズありといった訳ありを、理由を添えて売る出品があります。売り場に並びにくいものを、そのまま買えます
食べきれる量だけ買いたいスーパー直売所1個・1袋から、その日に要る分だけ選べます。産直 EC は、量を選べるかどうかが出品ごとに違います
畑でできたものを、そのまま受け取りたい定期便おまかせ型なら、何が届くかは選べません。家族が多く、よく自炊する家なら使い切れますが、一人暮らしだと余りやすい買い方です
旬の時期に、産地から直接届くものがいい産直 EC生産者が自分で箱に詰めて、産地から送ります。収穫から手元に届くまでのあいだに、店を挟みません
ごみを増やしたくないパッケージの少ない八百屋宅配では、段ボールと、ものによっては保冷剤が1箱ごとに付きます。スーパーでも、トレーやラップ、袋のごみが出ます

産直 EC は、表のなかで3つのこだわりに出てきます。ただ、食べきれる量だけ買いたいときや、ごみを減らしたいときは、スーパーや直売所、八百屋のほうが向いています。1か所ですべてをかなえるより、何を優先するかで買う場所を使い分けるのが現実的です。

秋の食材といえば何か|野菜・果物・魚の一覧

「旬」が指す時期は、ひとつではありません。いちばん多く採れる時期を旬と呼ぶこともあれば、味がいちばんのる時期を旬と呼ぶこともあります。この記事で目安にするのは、市場に出回る量が増える時期です。ただ、その時期も産地や育て方によって前後します。

秋の食材を紹介する記事の多くで挙がるものを、分類ごとにまとめました。

分類食材
野菜さつまいも・かぼちゃ・里いも
きのこしいたけ・まいたけ・しめじ・なめこ
果物・木の実栗・柿・梨・ぶどう・りんご・いちじく
魚さんま・秋鮭・さば
米新米

では、「旬」は何を根拠に言われているのでしょうか。

手がかりのひとつは、市場に入ってくる量です。農林水産省は、主な卸売市場に入った野菜・果物・きのこの量を集計して公表しています。月ごとに加えて、上旬・中旬・下旬でも区切った数字です。品目ごとの主な産地も分かります。

この量が山になる時期が、旬のひとつの目安になります。ただし、魚と米はこの統計に入っていません。

店頭では、その山が見えにくくなります。ハウスで育てたもの、貯蔵したもの、輸入したものが、山の前後を埋めるからです。量の少ない時期にも、棚は空きません。

しいたけが分かりやすい例です。しいたけには、原木を林の中など屋外に置いて育てるものと、空調設備のある施設で菌床(おがくずなどを固めた培地)から育てるものがあります。

施設で育てる菌床しいたけは、季節に縛られにくくなります。一覧に挙げたほかのきのこも、菌床で育てたものなら同じです。

同じ栗でも、どこで買うかで何が変わるのか

同じ食材でも、スーパー・直売所・産直 EC・定期便のどこで買うかで、手元に届く情報が変わります。形のそろわないものや、食べきれない分を誰が引き受けるかも変わります。

この記事でいう産直 EC は、食べチョクやポケットマルシェのような売り方です。生産者がインターネット上に出品し、注文を受けて産地から直接送ります。4つの買い方で分かることを並べると、次のようになります。

誰が作ったか形のそろわないもの量の選び方
スーパー多くは産地まで規格に合ったものが中心1個・1袋から
直売所生産者名を出す売り場もある売り場による1袋から
産直 EC出品ページに名前と所在地理由を添えて売れる出品による
定期便サービスによる箱に入ることがあるおまかせが中心

スーパーで買うのがだめ、という話ではありません。分かることが違うだけです。

作った人の名前まで分かるか

スーパーの売り場で分かるのは、多くの場合、産地までです。今回見た産直 EC の出品では、どれも生産者の名前と、畑のある市町村までたどれました。

生鮮食品の表示で義務になっているのは、名称と原産地です。国産の野菜や果物なら、都道府県名などで足ります。生産者の名前を書く義務はありません。

産直 EC では、出品ページそのものが生産者のものです。食べチョクでは、価格を決めるのも箱に詰めるのも生産者自身、と運営会社が説明しています。

ポケットマルシェは、生産者が販売手数料を払って出品する仕組みです。手数料の率も公表されていて、2024年4月の注文分からは23%とされています。

名前が分かっても、品質が保証されるわけではありません。変わるのは、困ったときに問い合わせる先ができること。そして、栽培の説明を作った本人の言葉で読めることです。

形のそろわないものも買えるか

スーパーの売り場は、大きさや形のそろったものが中心です。産直 EC では、そろわないものを理由つきで「訳あり」として売れます。

規格に合わないために出荷されない野菜があることは、廃棄物の研究の場でも取り上げられています。ただ、その量を示す元の統計までは確認できていません。

今回見た出品にも、形がそろわない理由を、それぞれの言葉で書いたものがありました。

  • 雨の少ない年で、梨が小ぶりになった
  • 虫食いに備えて、栗を多めに入れる
  • ぶどうの房の形を整えていない
  • かぼちゃに日焼けや小さなキズがある

理由が書いてあれば、何が届くのかを分かったうえで選べます。形のそろわないものにも、売り先ができます。

食べきれる量を選べるか

おまかせ型の定期便では、何が届くかを自分で選べません。使い道の決まっていない野菜も届きます。

家庭から出る食品ロスは、小さくありません。農林水産省と環境省の推計では、2024年度の食品ロスは461万トン。そのうち半分近い224万トンが、家庭から出ています。

定期便が家庭の食品ロスをどれだけ増やすのかを調べた研究は、見つかりませんでした。それでも、届く野菜を選べない以上、使い切れずに残る野菜は出やすいと考えています。

定期便が向いているかどうかは、家でどれだけ料理するかで変わります。家族が多く、毎日のように自炊する家なら、届いた野菜も使い切りやすいはずです。一人暮らしなら、必要な分だけ選んで買うほうが、捨てずに済みます。

定期便どうしを比べたい方は、オーガニック野菜の宅配、どこで選ぶ?に、サービスごとの違いをまとめています。

包装のごみはどれだけ出るか

宅配で買うと、注文するたびに段ボールが1箱届き、ものによっては保冷剤も付いてきます。

では、お店で買えばごみが出ないかというと、そうでもありません。スーパーの野菜は、トレーに載せてラップがかかっていたり、1本ずつ袋に入っていたりします。

ごみを減らしたいなら、近所にパッケージの少ない八百屋さんがないか、探してみませんか。

配送まで含めた環境負荷を、宅配と店頭で比べた日本の研究は見つかりませんでした。ここで比べているのは、手元に残るごみだけです。

まず知っておきたい:選定基準

この記事では、以下の4つの視点をもとに、産直の出品から秋の食材を選びました。「出品ページで確認できたかどうか」が基準であり、掲載されていない出品が取り組みをしていないわけではありません。

  • 食品ロスを減らす:食べきれる量(少量・小分け)から選べるか。形や大きさがそろわないものを捨てず、訳あり・規格外として、理由つきで売っているか。
  • 作り手:生産者の名前と所在地(市町村まで)が確認できるか。販売者ではなく、作っている人の情報か。
  • 産地と旬:生産者が産地から直接送っているか。露地・原木といったつくり方と、収穫の時期が書かれているか。
  • 情報の正直さ:栽培の方法(農薬・化学肥料)について、何を・いつ・どれだけ使ったか、使わなかったかが書かれているか。

掲載情報は2026年9月24日時点で確認した一次情報(各出品ページ)に基づいています。

出品ページに並ぶ言葉は、国の表示ルールと同じ枠で書かれているとは限りません。

「特別栽培農産物」と表示できる条件は、農林水産省のガイドラインで決まっています。比べる相手は、その地域でふつうに行われている栽培(慣行栽培)です。それと比べて、節減対象農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量を、どちらも半分以下にしたものです。

このガイドラインでは、「無農薬」「減農薬」という表示は禁止されています。代わりに、「農薬:栽培期間中不使用」「節減対象農薬:栽培期間中不使用」のように書きます。

「自然栽培」とだけ書かれた出品もあれば、使った農薬の種類と回数まで書く出品もあります。表示が何を保証し、何を保証しないかは、有機JASの記事で詳しく扱っています。

産直の出品は、季節と在庫で入れ替わります。紹介した出品が売り切れていたら、食材ごとのリンクから探してみてください。見るところは、上の4つの視点と同じです。

野菜・きのこ

しいたけ

しいたけは、年じゅう店に並ぶきのこです。そのなかで季節に沿って採れるのは、原木を屋外に置いて育てるもの。原木しいたけは、気温が下がる秋と、春に多く出ます。

産地の表示にも、しいたけならではの決まりがあります。原産地として書かれるのは、採った場所ではありません。原木や菌床に、種菌(きのこの種にあたる菌)を植え付けた場所です。

きっかけは、海外で種菌を植え付けた菌床を輸入し、国内で採ったしいたけが増えたこと。国産との区別がつかなくなり、2022年からこの決まりになりました。

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京茸 「京ぽんぽん」原木生椎茸

🍄 原木・露地栽培 📍 京都府京都市右京区京北 ⚖️ 250g・500g・1000g

京都市右京区の京北で、京茸という生産者が育てている原木しいたけです。原木を屋外に置いて育てる露地栽培なので、採れる時期は季節で決まります。

量は250g・500g・1000gの3つから選べます。栽培については「栽培期間中農薬不使用」と書かれています。ただ、きのこは国の特別栽培農産物のガイドラインの対象外です。この言い方に、国の基準があるわけではありません。

エディターの視点: 原木と菌床の違いが、そのまま表れている出品です。食べきれる量から選べる点も、選んだ理由です。

トレードオフ: 化学肥料についての記載はありません。形のそろわないものの扱いも書かれていませんでした。予約販売の出品で、届く時期は決まっています。

「京ぽんぽん」(お試し250g) 「京ぽんぽん」(500g) 「京ぽんぽん」(1000g)

さつまいも

さつまいもは、秋に掘り上げる芋です。掘りたての新芋は、甘さが控えめ。しばらく寝かせるとでんぷんが糖に変わり、甘みが増していきます。

焼き芋の甘さを求めるなら、寝かせたもの。同じ品種でも、いつ食べるかで味が変わります。

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kururu farm 横浜産自然栽培さつまいも 綾紫

🍠 紫の新芋・綾紫 📍 神奈川県横浜市・舞岡の畑 ⚖️ 2kg・5kg・10kg・20kg

横浜市の舞岡にある畑で、kururu farm の佐野和裕さんが育てているさつまいもです。綾紫は、中まで紫色の品種。新芋として出ています。

量は2kgから20kgまで選べます。大きさは混ざっていて、1本ずつ個体差がある、と書かれています。

エディターの視点: 横浜という大きな都市の中の畑から、育てた本人が直接送ってくれる出品です。中まで紫色の綾紫を、新芋のうちに味わえます。大きさをそろえず、個体差のあるまま届くのも、形のそろわないものを引き受けたい方には合っています。

トレードオフ: 「自然栽培」とありますが、具体的な育て方は出品ページには書かれていませんでした。気になる方は、注文の前に作った本人に問い合わせてみてください。量はいちばん少なくて2kg。家族の多い家や、友人と分けたい方に向いた量です。

横浜産自然栽培さつまいも|綾紫

かぼちゃ

かぼちゃは、産地によって採れる時期がずれる野菜です。採ってすぐより、しばらく置いて追熟させたほうが、甘みが増すとされます。

冬至にはかぼちゃを食べる習慣があります。冬に並ぶかぼちゃがどこから来たのかは、産地の表示を見ると分かります。

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里いも

里いもは、秋から冬にかけて掘り上げる芋です。十五夜を「芋名月」と呼ぶのは、里いもを供えたことに由来する、と言われています。

煮物や汁物に入れると、ぬめりがとろみになります。

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栗と果物

栗

栗は、秋に実が熟して落ちたところを拾って収穫するのが一般的です。生の栗を買うと、中に虫が入っていることもあります。

家で扱うときに手間なのは、渋皮。ぽろたんのように、渋皮までむきやすい品種もあります。

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ベジアーツ 栗 ぽろたん 長野県産 生栗 1kg

🌰 ぽろたん・皮がむきやすい品種 📍 長野県北佐久郡御代田町 ⚖️ 1kg

長野県御代田町のベジアーツ、山本裕之さんの生栗です。ぽろたんは、渋皮がむきやすい品種として知られています。

収穫したあとに「農薬による燻蒸処理を行っていない」と書かれています。燻蒸は、薬剤のガスで虫を退治する処理のことです。

燻蒸をしない分、虫が入っていることがあります。そのため、注文した量の5%前後を多めに入れて送る、という説明があります。

エディターの視点: 燻蒸をしていないことと、虫食いに備えて多めに入れていることが、あわせて書かれています。届いた栗に虫が入っていても、その分を見込んだ量が届くので、戸惑わずに済みます。

トレードオフ: 畑で育てているあいだの農薬については書かれていません。量は1kgだけで、少なめは選べません。

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梨

梨は、品種ごとに採れる時期がずれる果物です。夏の終わりの幸水、豊水から始まり、秋が深まるとあきづき、南水、新高へと移っていきます。

同じ「梨」でも、いつ買うかで出会う品種が変わります。

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坂爪農園 梨 南水 お徳用訳あり 家庭用

🍐 南水・訳あり家庭用 📍 長野県長野市豊野町 ⚖️ 2.8kg

長野市豊野町の坂爪農園が出している、南水の訳ありです。2026年は干ばつで雨が少なく、やや小ぶりになった、と理由が書かれています。

栽培は、長野県の慣行栽培の基準と比べて、節減対象の農薬と化学肥料を30%減らしたものです。出品ページには、「長野県の環境にやさしい農産物の認証」を2026年度も取得した、と書かれています。

エディターの視点: 農薬と化学肥料をどれだけ減らしたかを、「30%」という数字で書いている出品です。国の「特別栽培」と表示できる半分以下には届きませんが、ぼかさずに示しているので、読む側が自分で判断できます。小ぶりになった理由も天候だと書いてあり、どんな梨が届くのかが分かります。

トレードオフ: 量は2.8kgのコースで、少なめは選べません。

梨 南水

柿

柿には、木から採ってそのまま食べられる甘柿と、渋を抜いてから食べる渋柿があります。富有柿は甘柿。新潟の八珍柿のような渋柿は、渋抜きの処理をしてから出荷されます。

売り場ではどちらも「柿」として並ぶので、甘柿か渋柿かは、品種の名前で見分けることになります。

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ぶどう

ぶどうは、ハウスで育てたものが早い時期から出回ります。屋外の畑で育てたものは、多くが夏の終わりから秋に採れます。巨峰やピオーネ、シャインマスカットが多く並ぶのもこの時期です。

房の形を整えるには、実を間引く手間がかかります。店に並ぶぶどうの房がそろっているのは、その手間をかけたあとだからです。

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さいごに

旬を知ることと、どこで買うかを選ぶことは、別々の判断です。

秋の食材の一覧から分かるのは、何がいつ多く出回るかまで。その先で選ぶときは、誰が作ったのか、形がそろっているか、食べきれる量で買えるかが手がかりになります。スーパーの棚では見えにくいことも、産直の出品ページなら読めることがあります。

次にスーパーで栗やさつまいもを手に取ったら、産地の表示を見てみてください。書いてあることと、書いていないこと。その差が、この記事で見てきた買う場所の違いです。

野菜の定期便を考えている方は、オーガニック野菜の宅配、どこで選ぶ?で、サービスごとの違いをまとめています。

産地の表示の次に、あなたなら何を見て選びますか。

Mariko
Mariko

小林真梨子|日本在住のエコライター。2018年よりサステナブルな暮らしを実践。パリ第四大学(ソルボンヌ)で分析・言語哲学の修士を取得。哲学的視点から、倫理的消費・エコライフスタイルをリサーチベースで発信する独立メディア「エコ哲学」を運営。