毎日の食器洗い、手軽さ優先でプラスチック製品を使いがちですが、環境への負担が気になる方も多いはずです。小さな問い「まず何を変えられる?」から始める、今日から試せるプラスチックフリーのアイテム選びと使い方をやさしくご紹介します。
プラスチックフリーって何を基準にする?台所で気をつけたいポイント
台所用品を手に取ったとき、「これって本当にプラスチック?」と疑問に思ったことはありませんか。一見自然素材に見えても、実は混合素材だったということも少なくありません。
プラスチックフリーのアイテムを選ぶ第一歩は、パッケージの素材表記を確認することです。特に注目したいのが「生分解性」や素材名(天然繊維・木など)の表示。これらをチェックするだけで、環境負荷の少ない選択ができるようになります。
「生分解性」とは(簡潔に)
生分解性とは、自然に戻りやすい性質のこと。微生物の働きによって分解され、最終的には水や二酸化炭素になる素材を指します。商品を選ぶときは、パッケージに「生分解性」の表示があるかどうかを確認してみましょう。この小さな確認作業が、環境への配慮につながります。
誤解しやすい表示に注意
ここで注意したいのが、「植物由来」という表記です。植物由来と書かれていても、加工の過程でプラスチックが混じっている場合があります。表面だけでなく、パッケージの裏面もしっかり確認して、素材の内訳をチェックすることをおすすめします。
スポンジ・たわしの種類と上手な使い分け(プラスチックフリーの選び方)
「今使っているスポンジ、代わりになるものはある?」そんな疑問を感じている方へ。実は、プラスチックフリーで使い勝手の良い選択肢はいくつもあります。私がおすすめするのは、まずは「亀の子たわし(植物繊維)」か「セルロース(天然パルプ)スポンジ」を1つ試してみること。汚れの種類によって使い分けることで、より快適に使えるようになります。
びわこ布巾の特徴
びわこ布巾は、お湯だけで食器洗いができる優れもの。洗剤を使わずに油汚れまで落とせるので、手にも環境にもやさしいアイテムです。洗って繰り返し使えるため、ゴミも減らせます。
朝光テープ びわこふきん
おすすめポイント:
- 綿100%の日本製、自然素材で安心
- 洗剤不要で環境にも手にもやさしい
- 吸水・吸油性に優れ、長く使える丈夫さ
「びわこふきん」は、朝光テープが水車式の紡績機「ガラ紡」で丁寧に織り上げた、綿100%の日本製ふきんです。洗剤を使わずにお湯だけで油汚れも落とせるため、手にも環境にもやさしいエコなアイテム。抜群の吸水性と速乾性で、食器洗いから洗顔まで幅広く活躍します。丈夫で長持ちするので、使うほどに愛着がわく一枚です。

ethical house びわこふきん
おすすめポイント:
- 無農薬コットン100%使用
- 薬剤不使用で環境にやさしい製造
- 職人の手仕事による日本製
ethical houseの「びわこふきん」は、無農薬コットン100%で作られた天然素材のふきんです。精錬剤などの薬剤を使わず、環境に配慮した方法で丁寧に仕上げています。昔ながらの製法を守る職人の手仕事によって、一枚一枚が丈夫で長持ち。使うたびにやわらかくなり、日々の台所に心地よく寄り添います。サステナブルな暮らしにぴったりの一枚です。

亀の子たわし(植物性たわし)の特徴
耐久性があり、油汚れに強いのが亀の子たわしの特徴です。鍋やフライパンのこびりつきにも、しっかり対応できます。
亀の子束子西尾商店 亀の子たわし
おすすめポイント:
- 創業明治40年、100年以上変わらぬ品質のロングセラー
- 天然素材(パーム・シュロ・サイザル麻)を使用
- 熟練職人による手作業仕上げで高い耐久性
明治から続く元祖「亀の子たわし」は、100年以上愛される日本の名品です。天然のパームやシュロなどを使用し、職人の手で一本一本丁寧に仕上げています。硬すぎず柔らかすぎない絶妙な使い心地で、食器やまな板の汚れをしっかり落とします。長く使える丈夫なつくりで、環境にもやさしいサステナブルな日用品です。

セルローススポンジ(天然素材)の注意点
セルローススポンジを選ぶときの注意点は、補強層(ナイロン等)が無い商品を選ぶこと。せっかく本体が天然素材でも、補強層にプラスチックが使われていては意味がありません。成分表示をよく確認しましょう。
mana. ORGANIC LIVING 自然素材のスポンジ
おすすめポイント:
- ヘチマとセルロースの天然素材100%
- 土に還る生分解性でマイクロプラスチックを回避
- FSC認証取得&売上の1%を環境保全に寄付
mana. ORGANIC LIVINGの「自然素材のスポンジ」は、ヘチマと木材パルプ由来セルロースの2層構造。頑固な汚れも繊細な食器も、これ一つで対応できます。天然素材100%で使い心地もやさしく、使用後は土に還る生分解性。プラスチックフリー配送やFSC認証にも対応し、売上の1%は環境保全活動へ寄付。毎日のキッチン時間を、サステナブルな選択に変えるスポンジです。

使い分け例
汚れの種類によって、適切なアイテムを使い分けるのがコツです。軽い汚れには「びわこ布巾」や「セルローススポンジ」を、こびりつきには「たわし」を使うと効果的。交換目安としては、びわこ布巾は週1回程度の煮沸消毒で約1年、たわしは毛先がへたってきたら交換(約3〜6ヶ月)、セルローススポンジは約1〜2ヶ月が目安です。
ブラシ・道具はどう選ぶ?部分的な妥協と手入れのコツ
「柄や瓶用ブラシはプラスチック以外で使いやすい?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。私がおすすめするのは、木柄+植物繊維のブラシを選ぶこと。もし柄にプラスチックがある場合でも、手入れで寿命を伸ばす工夫ができます。使用後は必ず乾燥させ、風通しを良くすることで、カビや劣化を防げます。
木製柄のボトルブラシの選び方
ボトルブラシを選ぶときは、天然素材の持ち手とブラシ部分を選ぶことがポイントです。水筒やグラスの奥まで届く長さと、適度なコシのある毛質を確認しましょう。
mana. ORGANIC LIVING ボトルブラシ・ロング
おすすめポイント:
- 天然素材100%、プラスチック不使用
- FSC®認証の天然木を使用
- 売上の1%を環境保全に寄付
mana. ORGANIC LIVINGの「ボトルブラシ・ロング」は、天然木〈ブナ〉とココナッツ繊維でつくられたサステナブルなブラシです。プラスチックを一切使用せず、使うほどに地球にも手にもやさしい設計。FSC®認証の木材を採用し、責任ある森林管理を支えています。水筒やグラスの奥までしっかり届き、キッチンの掃除にも活躍。売上の1%は環境保全活動に寄付される、エシカルな選択です。

M DASANAYAKA ココナッツのボトルブラシ
おすすめポイント:
- ココナッツ繊維とラバーウッドの天然素材100%
- 「地球に還る」プラスチックフリー設計
- 利益の一部を貧しい子どもたちへ寄付
天然素材だけでつくられた、環境にも手にもやさしいボトルブラシです。ココナッツ繊維の柔らかな毛が、ボトルの底や角までしっかり届きます。ラバーウッドの持ち手は温かみがあり、使うたびに心地よい感触。プラスチック製ブラシの代替として、地球にも人にもやさしい選択です。スリランカとのつながりを大切に、利益の一部は子どもたちの支援に役立てられています。

木製の食器洗いブラシの選び方
食器洗いブラシを選ぶときは、柄の接合部の素材を確認することが大切です。接合部に金属やプラスチックが使われている場合もあるので、できるだけ天然素材のみで作られたものを。また、替えヘッドがある商品なら、柄の部分を長く使い続けられるので経済的です。
mana. ORGANIC LIVING エコブラシ ショート
おすすめポイント:
- 竹とサイザル麻、100%天然素材のマルチブラシ
- FSC®認証取得のオーガニック竹を使用
- 売上の1%をサンゴ礁保全活動に寄付
「エコブラシ ショート」は、竹とサイザル麻のみでつくられた100%天然素材のサステナブルなブラシです。キッチン、バスルーム、洗濯など、家中で使えるマルチ設計。FSC®認証を取得した竹を使用し、プラスチックを一切使わず環境負荷を軽減します。使い終わった後は土に還る生分解性。さらに、売上の1%が沖縄のサンゴ礁保全活動に寄付される、地球にもやさしいエコアイテムです。

Redecker 柄付きキッチンブラシ
おすすめポイント:
- 天然素材のみ使用(ブナ無塗装×植物繊維)
- 熟練職人によるハンドメイド製
- 使うほど手になじみ長く愛用できる
1935年創業のドイツ老舗メーカー、レデッカーの柄付きキッチンブラシです。ブナの無塗装ハンドルと植物繊維のブラシを使用し、化学物質を使わない自然素材仕上げ。熟練職人の手で丁寧に作られた一本は、使うほどに手になじみ、長く愛用できます。フックに掛けられるデザインで乾かしやすく、台所に自然になじむサステナブルな日用品です。

妥協ポイントの判断
完璧を目指そうとすると、かえって続かなくなってしまうこともあります。衛生上プラスチック部分が残る場合は、それを責める必要はありません。大切なのは、そのアイテムを丁寧に扱い、長く使うこと。頻度を上げて洗浄したり、適切なタイミングで交換したりすることで、環境負荷を最小限に抑えられます。
台所用石けん・重曹などで落とすコツ+今日からできること(実践)
「固形石けんで油はちゃんと落ちる?」と不安に思う方もいるかもしれません。私も最初はそう思っていましたが、実際に試してみると意外なほどしっかり落ちることに驚きました。まずは固形台所石けんをスポンジに直接つけて洗ってみてください。頑固な油汚れには、重曹+お湯でプレ処理をすると、さらに効果的です。
固形台所石けんの使い方(基本)
固形石けんの使い方は簡単です。少量をスポンジや布巾に直接こすりつけて泡立て、ぬるま湯で洗います。ポイントは、泡をしっかり立てること。そしてすすぎを丁寧に行うことです。石けんカスが残らないよう、流水でしっかりすすぎましょう。
手洗いや体を洗う用の石けんではなく、台所用を選ぶようにしましょう。台所用石けんは油分が少ないので、お皿洗いに向いています。
シャボン玉 台所用せっけん 固形タイプ
おすすめポイント:
- 100%天然由来の無添加石けん
- 手肌にやさしく泡切れもすっきり
- 排水後もすぐに生分解され環境にやさしい
シャボン玉の台所用せっけん固形タイプは、毎日の食器洗いに安心して使える無添加石けんです。合成界面活性剤や香料を一切使用せず、純石けん分のみでつくられています。泡立ちがよく、頑固な油汚れもすっきり落とせるのに、手肌にはやさしい使い心地です。排水後はすぐに自然にかえる生分解性で、環境にも配慮。食器やまな板、ふきんまでこれ一つで洗える、サステナブルな暮らしにぴったりの一本です。

重曹で落とす(安全な使い方)
軽い焦げや茶渋には、重曹が活躍します。重曹に少量の水を加えてペースト状にし、汚れた部分に塗ります。数分置いてからスポンジやたわしでこすると、するりと落ちます。研磨剤として使う場合は、柔らかい素材を傷つけないよう注意しましょう。

今すぐ試せるアイディア
では、今日からできる具体的なアイディアをご提案します。古いプラスチックのスポンジを1個捨て、亀の子たわし1個と固形台所石けんで最初の皿を洗ってみてください。感触を比べるだけでもOKです。「これなら続けられそう」と感じたら、それが最初の一歩。無理に全部変える必要はありません。一つずつ、自分のペースで進めていきましょう。
小さな問いが、未来をひらく
小さな問い「まず何を変えられる?」が、やがて大きな習慣につながります。完璧を目指さず、まずは一つアイテムを替えてみるだけで台所は変わります。まずは一つのアイテムを試してみて、感じたことをノートやSNSで記録してみませんか?
私自身、最初はびわこ布巾一枚から始めました。今では台所用品のほとんどがプラスチックフリーに。でも、それは一夜にして実現したわけではありません。一つ試して、気に入ったら続ける。合わなかったら別の方法を探す。そんな試行錯誤の積み重ねです。
あなたも今日から一歩始めてみませんか。