寒い冬こそサステナブルに。あたたかくて心地いい「エシカルインナー」の選び方

冬になると、肌に直接触れるインナー選びが気になりますよね。

寒さ対策はもちろん、肌へのやさしさや環境への配慮も重視したい——そんな人におすすめなのが「サステナブルインナー」です。

本記事では、なぜサステナブルインナーが冬に注目されているのか、どんな素材やブランドを選べばいいのか、そして長く使うためのケア方法までをわかりやすく紹介します。

なぜ「サステナブルインナー」が冬に注目されているの?

環境にやさしく、快適に過ごせる選択

近年、アパレル業界では”エシカルファッション”が注目されています。その中でも、サステナブルインナーは「肌に直接触れるものだからこそ、自然素材を選びたい」という声から広まりました。

私自身、以前は機能性だけを重視してインナーを選んでいましたが、生産背景を知るうちに考え方が変わりました。サステナブルインナーは、生産時に化学薬品を減らしたり、リサイクル素材を活用したりすることで、環境負荷を抑えながら快適さを追求しています。着る人だけでなく、つくる人や地球にもやさしい選択ができるのです。

肌トラブルを防ぎながら、温かく過ごせる

冬場は乾燥や静電気による肌トラブルが起こりやすい季節。化学繊維のインナーを着ていると、肌がチクチクしたり、静電気でバチバチしたりした経験はありませんか?

天然素材やオーガニックコットンを使用したインナーなら、保湿性・通気性が高く、チクチクしにくいのが特徴です。肌への刺激が少ないため、敏感肌の人にも安心して使えるのが人気の理由。冬の厳しい乾燥から肌を守りながら、心地よい温かさを保ってくれます。

あたたかさと快適さを両立する素材選び

サステナブルインナーを選ぶうえで、最も重要なのが素材です。ここでは、冬におすすめの代表的な素材を3つ紹介します。

オーガニックコットン — 肌にやさしく、一年中快適

農薬や化学肥料を使わず育てられたオーガニックコットンは、通気性と保温性のバランスが良く、冬でも蒸れにくい素材です。柔らかな肌触りで、化学繊維が苦手な人にもおすすめ。

私が特に気に入っているのは、洗濯を繰り返すほどに肌になじんでいく感覚です。新品のときよりも、使い込むほどに愛着が湧いてくるのが、天然素材ならではの魅力だと感じています。

テンセル/モダール — なめらかな質感と吸湿性

木材パルプを原料とするテンセルやモダールは、環境に配慮した再生繊維です。シルクのような滑らかさと吸湿性を兼ね備えており、汗をかいてもサラッと快適に過ごせます。

室内と屋外の温度差が激しい冬、インナーの中が蒸れやすいことに悩んでいる人には特におすすめ。肌触りの良さと機能性を両立した、理想的な素材だと思います。

リサイクルウール — 保温力抜群のサステナブル素材

ウールの廃棄を減らすために再利用された「リサイクルウール」は、保温性が高く冷え対策に最適です。軽くて動きやすいので、寒い日の外出にもぴったり。

ウールというと「チクチクする」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、最近のリサイクルウール製品は加工技術が進化しており、肌あたりが柔らかいものも増えています。

関連記事:環境にやさしい服ってどんな素材?サステナブルファッションの基本をわかりやすく解説

エシカルブランドのおすすめ商品

サステナブルインナーを選ぶなら、信頼できるエシカルブランドから選びたいもの。ここでは、筆者が注目する4つのブランドを紹介します。

People Tree(ピープルツリー) — フェアトレード×オーガニックコットン

ピープルツリーは、世界フェアトレード連盟(WFTO)の認証を受けたフェアトレード専門ブランドです。つくり手の生活と尊厳を守りながら、オーガニックコットンなどの天然素材と手仕事を活かした持続可能なものづくりを続けています。公正な価格の支払い、安全な労働環境の確保、女性の働く機会の創出を大切にし、自然を守る独自の環境ポリシーに基づいて生産。人と自然が調和して幸せに生きられる未来を目指すブランドです。

BRING(ブリング)

BRING(ブリング)は、「地球を、着まわせ。」を掲げ、繊維から再生したポリエステル素材「BRING Material™」を軸にアパレル製品と服の循環サービスを展開するブランドです。独自のケミカルリサイクル技術により、繊維くずや回収した服を分子レベルから再生し、バージン原料と同等品質の素材へと循環。多用途で機能的なウェアを提供しながら、CO2排出量の削減や循環型経済の実現に貢献する、持続可能性に優れた取り組みが特徴です。

シサム工房

シサム工房は、1999年に京都で誕生したフェアトレードブランドです。名前に込めた「よき隣人」の精神を軸に、社会的に立場の弱い生産者と対等にものづくりを行い、手仕事や天然素材の個性を生かした商品を届けています。寄付ではなく”生業”としてフェアトレードを続け、WFTOの保証メンバーとして公正な取引を実践。ゼロ・ウェイスト認証の取得や自然素材の活用、長寿命化の仕組みづくりなど、人と地球の双方に配慮した持続可能な取り組みが特徴です。

hinna(ヒンナ)

hinna(ヒンナ)は、女性の心と体のゆらぎに寄り添うセルフケアブランドです。スウェーデン語で「時間をみつける」という名の通り、自分を大切にする時間を届けることを大切にしています。女性スタッフが検証を重ね、日々の小さな不調に向き合うための商品を開発。背伸びしない暮らしに自然に溶け込む設計と、続けやすい「ちょうどいい価格」も特徴です。環境への配慮やエコ包装、複数の受賞歴など、未来につながる誠実なものづくりを実践しています。

長く着るためのケアと収納のコツ

せっかく選んだサステナブルインナーを長く愛用するために、日々のケアも大切です。

やさしく洗って、やさしく干す

天然素材のインナーは、ネット使用・中性洗剤・陰干しが基本です。洗濯機でも手洗いでも、やさしく扱うことで風合いが長持ちします。

私は、オーガニックコットンのインナーを洗うときは必ず洗濯ネットに入れ、「おしゃれ着コース」で洗っています。少し手間はかかりますが、その分長く着られるので、結果的にコストパフォーマンスも良くなると感じています。

シーズンオフの保管は「通気性」を意識

収納時は密閉せず、防虫剤や湿気取りを一緒に入れておくのがおすすめです。オーガニック素材は湿気を吸いやすいので、定期的に風を通しましょう。

クローゼットにしまいっぱなしにするのではなく、月に一度は引き出しを開けて空気を入れ替えるだけでも、カビや臭いの予防になります。

心も身体もあたたまる、やさしい選択を

サステナブルインナーは、冬の寒さを快適に乗り切るだけでなく、肌と地球を同時にいたわるアイテムです。素材・ブランド・お手入れの3つを意識することで、長く愛せる一枚に出会えます。

私自身、サステナブルインナーを選ぶようになってから、ファッションに対する考え方が変わりました。「安いから買う」のではなく、「長く大切に着られるものを選ぶ」。そんな小さな選択の積み重ねが、自分にとっても地球にとっても心地よい暮らしにつながっていると感じています。

「豊かさ」を”心地よさ”から見つめ直す、そんな冬のインナー選びを始めてみませんか?

Share