エコロジーとフェミニズムを組み合わせた「エコフェミニズム」。エコロジーとフェミニズムには、実はたくさんの接点がある。
環境問題は深刻だと思っているけれど、フェミニズムは近寄りにくいと思っている人も、エコフェミニズムなら親近感を感じるかもしれない。エコフェミニズムには種類があり、女性らしさを尊重する思想や女性の自由を守る思想など様々ある。
この記事では、エコフェミニズムについて分かりやすく簡単に説明。自分はどんなエコフェミニストなのか、ぜひ考えてみてください!
エコロジーとフェミニズムのつながり
SDGsで取り上げられている課題の中に、女性の地位の向上などフェミニズムに関係している課題が取り上げられている。一見、気候変動などの環境問題と女性が抱えている問題は無関係のように見えるが、エコフェミニストは関係があると説明する。
気候変動や環境汚染による被害を受けるのは女性
気候変動による被害が世界各地で浮き彫りとなっているが、気候変動による難民の約80%は女性である。女性のほうが経済的に低い地位にいるので、いちばん影響を感じやすい。
森での食物の採集で家族を養っている先住民の女性は、環境汚染や森林伐採の被害を直に受けている。自然を守ることは、女性にとってとても大切だと分かります。
男性中心社会が女性と自然を抑圧してきた
長い歴史の中で、女性と自然は結び付けられて考えられてきた。女性や自然は秩序がないものとして、理性を持っているとされている男性からコントロールされてきた。男性だけが秩序や理性を持っているという考え方を家父長制と言うが、長い間、家父長制のせいで女性は男性から抑圧されてきた。自然も家父長制により搾取されてきたので、自然も女性も家父長制の被害者と言える。
家父長制のもう一つの特徴は、上下関係に基づいた価値観である。男性が上で女性が下と決められているように、文化が上で自然が下と決めて支配している。権力や特権に基づいた文化では、特権がある者が資源を搾取する。女性や自然は資源として扱われ、搾取されている。
エコフェミニズムの種類
女性と自然にはいろいろなつながりがあることは分かってもらえたと思うが、エコフェミニズムはいくつかの種類がある。自分はどんなエコフェミニストなのか、ぜひ考えてみてほしい。
カルチュラル・エコフェミニズム
よく地球は「母なる地球」と呼ばれる。自然と同じように、女性は生命を生み出すものとして、尊敬されるべき存在だと訴えるのがカルチュラル・エコフェミニズム。科学や文明が発展する前は女性はそのように尊重されていたが、科学革命によって女性や自然は意思を持たない機械的なものとして扱われる。
カルチュラル・エコフェミニズムは、女性のケアをする力を尊重し、環境の劣化に敏感な女性の知識を取り入れるべきだと言う。農薬の不使用を求める運動や次の世代を生きる子供のために美しい地球を守る運動を行なっている。科学的ではないスピリチュアルな思想で、自然との調和を目指している。
子供のためにオーガニックを取り入れたり、無添加生活を目指しているお母さんなどにピッタリなのが、カルチュラル・エコフェミニズム。
ソーシャル・エコフェミニズム
カルチュラル・エコフェミニズムは女性と自然とのつながりを大切にしているが、ソーシャル・エコフェミニズムは女性の本質主義を否定している。家父長制に基づいた資本主義社会の支配から人間と自然を解放するのが目的。
家父長制をベースにした資本主義では、女性の家庭内労働は男性の仕事より低い位置にあると考えられている。女性の体や労働力や自然資源を搾取しながら利益を最大化する資本主義でなく、新しい形態の社会主義によって、持続可能な社会を目指している。
消費中心社会に疑問を持つエコミニマリストが共感できそうなのが、ソーシャル・エコフェミニズム。
リベラル・エコフェミニズム
ソーシャル・エコフェミニズムは資本主義と家父長制を結びつけて、環境問題や社会問題の原因は資本主義だと語るが、リベラル・エコフェミニズムは自由資本主義を使いながら男女平等な社会と環境運動に取り組んでいる。
女性が設立した会社を応援したり、サステナブルやエシカルな商品を買うことで、サステナブルな社会を目指している人にピッタリ。
あなたはどんなエコフェミニスト?
エコフェミニズムにもいろいろな思想があって、どれかに共感できるはず!女性にとって暮らしにくい社会から、自然を守りながら女性が暮らしやすい社会にしたいですね。