サステナブルなマットレス7選|素材・認証・廃棄まで、自分の基準で選ぶための記事

「サステナブルな寝具を選びたい」と思ったとき、マットレスほど判断が難しいアイテムはなかなかありません。

サイズが大きく、価格も高い。そのうえ、素材・構造・認証の種類が多く、「オーガニック」「エコ」「グリーン」という言葉がさまざまな意味で使われているため、何が本当の判断軸なのかが見えにくくなっています。

この記事では、「どのブランドが正解か」を決めるのではなく、マットレスを選ぶときに特有の判断材料を整理したうえで、各ブランドの特徴をお伝えします。「今すぐ買わない」「今使っているものを使い続ける」という選択肢も、同じように尊重されます。

編集部が調べた際の基準

マットレスのサステナビリティを考えるとき、大きく3つの軸があります。①素材の有機性・安全性(何から作られているか)、②製造・輸送過程の環境負荷(どうやって作られ、運ばれているか)、③廃棄・リサイクルのしやすさ(使い終わった後どうなるか)。今回はこの3軸を念頭に、以下の観点を中心に各ブランドを調べました。

  • 構造タイプ:ポリウレタンフォームのみか、スプリングや天然素材との組み合わせか(ヨーロッパ市場の製品を対象としたLCA研究では、素材の製造段階において、ポリウレタンフォームがスプリング型に比べ、地球温暖化ポテンシャル〔GWP〕が数倍高くなる傾向が指摘されています。ただし、廃棄段階でのリサイクル率や使用する鋼材の種類などにより数値は変動します)
  • 有機ラテックスの認証(GOLS):対象となるラテックス製品の総重量の95%以上が認証オーガニックラテックス由来であることを求め、残りの成分についても厳しい化学物質制限を設けている基準です
  • 繊維部分の認証(GOTS):カバーや詰め物が有機繊維の国際基準に沿っているか
  • 化学物質管理(OEKO-TEX Standard 100など):内部材の有害物質の含有・放散が制限されているか
  • 森林由来原料の認証(FSC):ラテックスや木材といった森林由来原料が責任ある調達かどうか
  • 廃棄・リサイクル:使用後に分解・回収できる設計かどうか

「この基準が唯一の正解」というわけではありません。また、認証の有無がすべてではなく、耐久性(長く使える=買い替え頻度が下がる)や修理・処分のしやすさも、サステナビリティの重要な評価軸として存在することを念頭に置いてください。これらは、情報として確認できた範囲での判断材料です。

ブランド・商品の紹介

1. マニフレックス

特徴

日本国内で購入しやすいブランドです。OEKO-TEX Standard 100を取得しており、金属スプリングを使わない設計と、体積を1/8に圧縮する「真空ロールアップ製法」によって輸送効率を高め、CO2排出の低減に寄与すると公式に説明されています。

サステナブルな取り組み(公式情報より)

OEKO-TEX Standard 100取得、スプリングレス・真空ロールアップ製法による輸送負荷の低減を公式サイトに記載。CO2削減の具体的な数値については比較ベースが明示されておらず、ブランド側の説明に基づく情報です。また、記事の情報には鮮度があるため、最新の認証状況やサービス内容は公式サイトでご確認ください。

合いそうな人

  • 国内で購入・サポートを受けたい方
  • 化学物質管理の認証を確認したい方
  • 輸送段階の環境負荷にも関心がある方

合わないかもしれない人

  • GOTS・GOLSなど有機原料の認証を重視する方(今回の調査では確認できませんでした)

2. SaFo(サフォ)

特徴

日本のブランドで、運営会社(株式会社ハート)は、ECOCERTによるGOTS認証を2009年から取得しており、日本初の寝具メーカーとして同認証を取得したと紹介されています(ブランド側の説明に基づく情報です)。繊維部分の有機性の確認という観点では、国内ブランドの中では数少ない一次情報があります。

サステナブルな取り組み(公式情報より)

GOTS認証を工場レベルで取得。オーガニックコットン等の素材とトレーサビリティについて公式サイトに記載。

合いそうな人

  • 国内ブランドでGOTS認証を確認したい方
  • オーガニックコットンを重視する方

合わないかもしれない人

  • ラテックス中材のGOLS認証も確認したい方(今回の調査では確認できませんでした)

3. ボディドクター

特徴

100%天然ラテックス(マレーシア産)を使用しています。廃棄時の生分解性については、メーカー独自の試験によれば土中において生分解が始まるとされていますが、実際の分解速度は廃棄環境(土壌の温度・湿度・微生物の活性など)に大きく依存します。また、「ECOLABEL」取得の記載がありますが、認証機関・対象範囲の詳細が現時点では確認できておらず、欧州のEUエコラベルとは別の認証である可能性もあります。購入前にメーカーへの直接確認をおすすめします。

サステナブルな取り組み(公式情報より)

天然ラテックス100%使用、焼却時の有害物質非発生、生分解性についての記載あり。

合いそうな人

  • 廃棄段階の生分解性を重視する方
  • 天然素材由来にこだわる方

合わないかもしれない人

  • 第三者認証の内容を詳しく確認したい方(ECOLABELの詳細が確認しきれていないため)

4. コアラマットレス

特徴

日本で知名度の高いブランドです。フォームにCertiPUR-US®認証を取得しており、ポリウレタンフォームについて、特定の重金属やフタル酸エステルの不使用・制限、総揮発性有機化合物(TVOC)が0.5ppm未満であることなどの化学物質管理基準が適用されていることを確認できます。

また、複数のLCA研究では、素材の製造段階において、ポリウレタンフォーム主体の構造はスプリングマットレスと比べて地球温暖化ポテンシャル(GWP)が高い傾向が報告されています。これは一つの判断材料として認識しておく必要があります。一方で、耐久性が高く長期使用できる場合には、買い替え頻度が下がるという側面もあります。

サステナブルな取り組み(公式情報より)

全フォームがCertiPUR-US®取得と公式サイトに明記。

合いそうな人

  • 国内で購入・サポートを受けたい方
  • フォームの化学物質管理を確認したい方

合わないかもしれない人

  • 有機原料認証(GOLS・GOTS)を重視する方
  • 製造段階の環境負荷が気になる方

5. イケア(MAUSUND、ÅNNELANDなど)

特徴

一部モデルでは天然ラテックス、ココナッツファイバー、綿、羊毛などの天然素材を使用しています。また、日本を含む一部地域では、新品配送時に条件付きで不要マットレスを引き取るサービスを提供しており、廃棄段階の選択肢として確認できます。サービスの条件(料金・対象商品など)は変更される可能性があるため、最新の公式情報をご確認ください。

合いそうな人

  • 手軽に試せる価格帯を重視する方
  • 廃棄時の引取りサービスを評価する方

合わないかもしれない人

  • GOLS・GOTS等の第三者有機認証を確認したい方(今回の調査では確認できませんでした)

公式サイト

IKEA

6. エマ・スリープ

特徴 マットレスカバー(繊維部分)がOEKO-TEX Standard 100 Class I(乳幼児用製品レベル)の認証を取得しています。ただし、今回の調査では中材フォームへの有機認証の確認はできていません。

合いそうな人

  • カバー素材の化学物質管理を確認したい方
  • 日本語サポートが充実したブランドを探している方

合わないかもしれない人

  • 中材全体の有機認証も確認したい方

7. ビラベック(ミルフィ)

特徴 中材が天然ラテックス100%であることが確認できるドイツのブランドです。ただし、今回の調査では、GOLS等の第三者認証の取得状況の詳細は確認できませんでした(未確認)。

合いそうな人

  • 天然ラテックス100%を確認したい方
  • ヨーロッパブランドに関心がある方

合わないかもしれない人

  • 認証の詳細を一次情報で確認したい方

補足:迷いやすいポイントと今回確認できなかった点

迷いやすいポイント

  • 「オーガニック」「天然素材」という表記は、第三者認証の有無とは別の話です。認証名と認証機関を確認するのが判断の起点になります
  • 認証の豊富さだけがサステナビリティの指標ではありません。耐久性が高く長く使える商品は買い替え頻度が下がり、それ自体が環境負荷の低減につながる場合があります
  • 海外ブランドは認証情報が充実している一方、国内サポートが限られる場合があります。国内ブランドは利便性が高い反面、認証情報が限定的なケースが多く、どちらを優先するかで候補が変わります
  • この記事の情報には鮮度があります。各ブランドの認証状況・サービス内容は変更される可能性があるため、購入前には必ず公式サイトの最新情報をご確認ください

今回確認できなかった・不十分な点

  • ボディドクターのECOLABELについて:取得を示す記載はあるものの、認証機関・対象範囲の詳細は今回の調査では特定できませんでした
  • ビラベックのGOLS取得状況:天然ラテックス100%の記載はありますが、第三者認証の詳細は未確認です
  • 国内向け製品でのFSC認証(マットレス中材そのもの):今回の調査範囲では、日本国内向け製品ページでマットレス中材へのFSC認証付与を明記した例は特定できませんでした
  • 「マットレス全般を対象とする公的包括ラベル」:EUエコラベルのようにマットレスを対象に含む制度は一部地域に存在しますが、世界共通で用いられているマットレス専用の総合環境ラベルについては、現時点でその存在を断定できる一次情報は確認できていません

まとめ

マットレスは、素材・製造・廃棄という3つの軸で、選び方が環境負荷に大きく影響する商品です。同時に、「正解のブランド」は存在しません。

認証の種類を重視するか、国内で購入できるかを重視するか、廃棄のしやすさを重視するか。あるいは、今あるマットレスをもう少し使い続けることが、今の自分にとって一番合っている選択かもしれません。

この記事を読んで、「もう少し調べてみよう」と感じた部分があればそこを深掘りしてみてください。「まだ決めなくていいな」と感じたなら、それも一つの判断です。あなたの選択のペースで考えてみてください。

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