クリスマスになると、準備やプレゼント選び、イベントごとで気持ちも家事も慌ただしくなりがち。でも、子どもがいるからこそ「完璧」にしなくても大丈夫。今年は、豪華さではなく心が満たされる時間を家族で共有するクリスマスにしてみませんか?
地球にもお財布にもやさしく、子どもが成長しても思い出に残る──そんなクリスマスのヒントをまとめました。無理のない範囲から、気負わずに取り入れてみてください。
そもそも「サステナブルなクリスマス」って何?
豪華さより「心の豊かさ」を大切にする考え方
クリスマスシーズンになると、私たちはつい華やかな飾りつけやたくさんのプレゼントを用意しようと張り切ってしまいます。けれど、よく考えてみると、そのシーズンしか使わない装飾品やラッピング材が、クリスマスが終わればすぐに片づけられ、やがてゴミになってしまうことも少なくありません。
サステナブルなクリスマスとは、豪華さを競うのではなく、家族や大切な人との時間そのものに価値を置く過ごし方です。環境への負担を減らすことは、未来の子どもたちにも美しい地球を残すこと。つまり、今日の選択が明日への贈り物にもなるのです。
完璧を目指さないクリスマス
「子どもに思い出に残るクリスマスを」と思うと、ついあれもこれもと準備に追われてしまいますよねSNSで見かける素敵なクリスマスディナーや飾りつけと比べて、焦ったり疲れたりした経験がありますよね。
でも大切なのは、完璧な演出ではなく、家族みんなが楽しい気持ちでいられること。ストレスを抱えながら準備するより、「今年はこれくらいでいいか」と肩の力を抜いた方が、笑顔あふれる時間が増えます。
子どもに伝えられる”物より経験”の価値
クリスマスといえばプレゼント。どうしても「何を買おうか」に意識が向きがちですが、持続可能性という視点で考えると、モノではなく「経験」という形でお祝いできるのが理想的です。
たとえば、家族で過ごす特別な時間や、一緒に何かをつくる体験。こうした記憶は、おもちゃが壊れたり飽きたりした後も、子どもの心の中にずっと残り続けます。比較や競争ではなく、家族それぞれの幸せにフォーカスしたクリスマスは、子どもに「豊かさとは何か」を自然に伝える機会にもなるのです。
家庭で楽しむサステナブルなデコレーション
「買い足す」より「活かす」──家の中のもので生み出す飾りつけ
新しい飾りを買う前に、まずは家の中を見回してみてください。松ぼっくり、どんぐり、枝、布の端切れ、空き瓶、紙袋──普段は見過ごしているものが、クリスマスデコレーションの素材に変身します。
子どもと散歩中に拾った松ぼっくりに、家にあった絵の具で色をつけてオーナメントにしてもいいですよね。買ったものより愛着が湧きます。
観葉植物・ドライフラワーをクリスマスデコに活用
リビングにある観葉植物に、ちょっとしたリボンやオーナメントを飾るだけで、クリスマスらしい雰囲気に。ドライフラワーをリースやスワッグ風にアレンジすれば、ナチュラルで温かみのある空間が生まれます。
クリスマスツリーを毎年買い替えるのではなく、鉢植えのモミの木を育てるという選択肢もあります。季節が終わればベランダや庭で育て、来年また室内に迎える。そんな循環も素敵ですよね。
子どもと一緒に作るオーナメント
折り紙、フェルト、毛糸、段ボール──家にある材料で、子どもと一緒にオーナメントづくりを楽しんでみませんか? 工作の時間そのものが、クリスマスの思い出になります。
不格好でも、子どもが一生懸命つくった飾りは世界に一つだけの宝物。毎年飾るたびに「これ、あの時つくったね」と会話が生まれ、愛着も深まります。
クリスマス後に”ごみにならないもの”を選ぶ視点
デコレーションを選ぶときは、「来年も使えるか」「他の季節にも活用できるか」を意識してみてください。たとえば、クリスマスカラーではなくナチュラルな色合いのオーナメントなら、年間を通して飾れます。
また、紙製のオーナメントは土に還る素材を選んだり、プラスチック製品は避けて木製や布製を選ぶことで、ゼロウェイストに近づけます。小さな選択の積み重ねが、環境への配慮につながっていくのです。
食卓をもっと幸せに、もっと豊かに──サステナブルなクリスマス料理
「ごちそう＝大量生産」ではなく「家族が一番好きな料理に」
クリスマスといえば豪華な料理をイメージしますが、本当に家族が喜ぶのは「みんなが好きな味」ではないでしょうか。私の家では、子どもたちが大好きなハンバーグやグラタンが定番。特別な日だからこそ、背伸びせず「うちの味」を楽しむのもありだと思います。
大切なのは料理の豪華さではなく、一緒に食卓を囲む時間。よそ行きのメニューに疲れるより、家族がリラックスして笑顔になれる食事の方が、ずっと価値があります。
フードロスにならない献立の組み方
クリスマスディナーで注意したいのが、食材の買いすぎ。あれもこれもと用意した結果、食べきれずに残してしまうのはもったいないですよね。
私は、必要な量を事前にリストアップし、計画的に買い物するようにしています。また、余った食材は翌日のお弁当やスープにリメイク。クリスマス翌日の「リメイクランチ」も、我が家の楽しみの一つになっています。
子どもと一緒に”役割を持って料理に参加”
料理の準備を子どもと一緒にすることで、食への感謝の気持ちも育まれます。小さな子なら野菜を洗う、サラダを盛りつける。少し大きくなったら、簡単な調理を任せてみる。
「自分もつくった」という経験は、子どもにとって特別な思い出になります。料理が完成するまでのプロセスそのものが、クリスマスの大切な時間なのです。
よそ行きではない「日常の延長のクリスマス」で十分
特別な日だからといって、無理に特別なことをする必要はありません。いつもの食卓に、ちょっとしたキャンドルを灯す、テーブルクロスを変える、盛りつけを工夫する──そんな小さな演出で十分、クリスマス気分は味わえます。
肩の力を抜いて、日常の延長線上にある幸せを大切にする。それこそが、持続可能で心豊かなクリスマスのあり方だと、私は思います。
心が伝わるプレゼント──”もの”より”気持ち”が届く選び方
買わなくてもOK──手紙・写真・ストーリーブックなど
プレゼントは必ずしも買う必要はありません。子どもへの手紙、家族の写真をまとめたアルバム、子どもが主人公のオリジナルストーリーブック──形にできる「気持ち」はたくさんあります。
子供の成長をつづった手紙を、クリスマスにプレゼントするのもいいですね。読んでくれた子供の嬉しそうな顔は、今でも忘れられない思い出になるでしょう。お金をかけなくても、心がこもっていれば十分伝わるのです。
関連記事：クリスマスにプレゼントを“あげない”のはアリ？お金も心も軽くなる、サステナブルな新しい祝い方
体験型ギフト
「家族デー」や特別なお出かけ、親子で参加できるワークショップ──こうした体験型のギフトは、モノとして残らなくても記憶に深く刻まれます。
たとえば「今度の休日は、行きたいところに連れて行くよ」というチケットを手づくりして渡すのも素敵です。子どもにとって、親と過ごす特別な時間こそが、何よりのプレゼントになります。
子ども同士のプレゼント交換は「おもちゃのシェア会」でも楽しい
友達同士でプレゼント交換をするなら、新品を買うのではなく「おもちゃのシェア会」を開いてみるのはどうでしょう? 自分が使わなくなったけれどまだ遊べるおもちゃを持ち寄って、交換する。
子どもたちにとっては「新しいおもちゃ」を手に入れる楽しみがあり、親にとっては家の中が片づき、環境にもやさしい。一石三鳥のアイデアです。
プレゼントは”長く使えるもの”を軸にする
もし新しいものを贈るなら、長く使えるか、成長しても活用できるかを基準に選んでみてください。流行に左右されないデザイン、丈夫でシンプルなつくり、飽きずに使い続けられる工夫──そんな視点で選んだものは、結果的にミニマルで満足度の高い暮らしにもつながります。
プレゼント選びのストレスや、後片づけの負担も減り、家族みんなが心地よく過ごせる空間が保たれます。
「今年も楽しかったね」と言えるクリスマスの振り返り時間
食事のあと・寝る前にできる家族のふりかえりタイム
クリスマスの夜、食事が終わってゆっくりしたタイミングで、家族でその日を振り返る時間をつくってみませんか? 「今日はどうだった?」「何が楽しかった?」──そんな会話を交わすだけで、一日の出来事が記憶として定着していきます。
寝る前に布団の中で「今日のベスト3」を言い合う習慣も素敵ですよね。何気ない会話ですが、子どもたちが自分の感情を言葉にする練習にもなります。
子どもに”幸せの定義”を育てる問いかけ例
「今日いちばんうれしかったことは?」「どんな気持ちになった?」「誰といるときが楽しかった?」──こうした問いかけは、子どもが自分にとっての幸せを見つめ直すきっかけになります。
プレゼントの数や豪華さではなく、「誰かと過ごした時間」や「自分でつくったもの」に幸せを感じる感覚。それは、生涯にわたって心を支える力になると信じています。
クリスマスが”比較ではなく幸福の学びの日”になる
SNSや周囲と比べて「うちはこんなもの」と落ち込む必要はありません。それぞれの家庭に、それぞれの幸せのかたちがあります。
振り返りの時間を持つことで、子どもたちは「自分の家族の幸せ」を認識し、感謝する心が育まれます。クリスマスは、心の豊かさを学ぶ大切な機会なのです。
まとめ
今年のクリスマスが特別になるかどうかは、プレゼントの数でも家の豪華さでもありません。”どんな気持ちで、誰と、どんな時間を過ごしたか”。その記憶こそ子どもの心に一生残ります。
変えられる範囲から少しずつ。無理のない、穏やかであたたかいクリスマスを──家族それぞれの幸せのかたちで過ごしていきましょう。
