「サステナブルなホテルに泊まりたい」と思ったとき、何を基準に選べばいいのか迷うことはないでしょうか。
環境に配慮していますと書かれていても、その根拠が見えづらかったり、どこまで本気で取り組んでいるのか判断しにくかったり。宿泊施設選びは、一晩だけの滞在であっても、水やエネルギーの使い方、アメニティの廃棄、地域との関わりなど、さまざまな影響と結びついています。
この記事では、東京都内のホテルのうち、主に民間の第三者機関による国際的な認証を取得している施設や、公式サイト等で取り組み内容を比較的詳しく開示している一部の施設を取り上げます。
あなた自身が「何を大切にしたいか」を考えながら、比較していただけるような情報としてまとめました。
※本記事の情報は主に2024年時点の公表情報に基づいています。認証は更新制のものが多いため、最新の取得状況や取り組み内容については各公式サイトをご確認ください。
この記事でホテルを選んだ基準
編集部では、以下の視点でホテルを選定しました:
- 第三者認証の取得状況
「Sakura Quality An ESG Practice」(GSTCが承認した宿泊施設向けスタンダード)、国際的に展開される環境認証「Green Key」、日本環境協会が運営する環境ラベル「エコマーク(ホテル・旅館)」など、宿泊施設向けの認証プログラムを取得し、公式に公表していること - 情報開示の透明性
「サステナブル」「エコ」と表現する際に、具体的な認証名・評価内容・数値目標などの根拠を併記しているか - アメニティや資源管理の方針
使い捨てアメニティの廃止・削減、リサイクル、ペーパーレス化など、運営上の具体的な施策を明示しているか - 地域や調達先への配慮
地域イベントへの参加、地産地消、フェアトレード製品の採用など、社会・経済面での取り組みが公開されているか
これらの情報は、記事執筆時点で確認できた公式サイトやニュースリリースなどの一次情報を主な根拠としています。
関連記事:旅行者の新常識:グリーンキー認証ホテルを選ぶ理由とメリットとは?
東京のサステナブルホテル 9施設
1. からくさホテル TOKYO STATION
場所|八重洲
サステナビリティへの取り組み:
ザイマックスグループが運営する karaksa hotels は、2024年3月時点で、全6ホテルが「Sakura Quality An ESG Practice」の評価ランク「3行幸桜」を取得しています。この認証は、日本観光品質認証協会が宿泊施設向けに開発したプログラムで、SDGsの考え方を反映した全172項目の評価基準(環境配慮・地域貢献・ガバナンス)を持ち、GSTC(世界的なサステナブル観光基準策定機関)が定める国際基準と整合的なプログラムとして承認されています。
特徴:
東京駅から徒歩5分以内という好立地で、成田空港からもNarita Expressで約58分とアクセス良好。和室や最大6名対応のコネクティングルームがあり、家族旅行にも適しています。無料WiFiと24時間フロントデスクを完備し、清潔な部屋と親切なスタッフが高く評価されています。
価格帯: 中価格帯
向いている人:
GSTC承認の国際基準に基づいた認証を重視したい方、グループ全体で統一された方針のもとで運営されているホテルを選びたい方、東京駅周辺でアクセスの良い宿を探している家族連れ
予約する
一休で予約する2. メズム東京、オートグラフ コレクション
場所|竹芝・浜松町
サステナビリティへの取り組み:
マリオット・インターナショナルのブランドで、2024年9月に「Sakura Quality An ESG Practice(4御衣黄ザクラ)」を、同年12月に国際環境認証「Green Key」を取得。この2つの認証を併せ持つホテルとして、2024年12月の取得時には国内ホテル初の”ダブル取得”として話題になりました。客室内のインフォメーションはタブレット化によりペーパーレスを実現し、プラスチック削減の一環として、2026年3月末を目処に客室内の歯ブラシ常設を廃止する方針を掲げています。
特徴:
浜松町駅から徒歩6分、WATERS takeshibaに位置し、ハマリキュー庭園を望むロビーが印象的。ファッション・アート・テクノロジーを融合したモダンなデザインの都市型ラグジュアリーホテルで、フィットネスセンターと24時間フロント、無料WiFiを完備。英語対応スタッフが常駐しているため、海外からのゲストにも対応しやすい環境です。
価格帯: 高価格帯
向いている人:
複数の国際認証による裏付けを求める方、ペーパーレス化やアメニティ削減の具体的なスケジュールが示されているホテルを選びたい方、モダンなデザインと都会的な雰囲気を楽しみたい方
予約する
一休で予約する3. ウェスティンホテル東京
場所|恵比寿
サステナビリティへの取り組み:
同じくマリオット・インターナショナルのブランドで、「Green Key」認証を取得。AIカメラを活用した食品廃棄モニタリングシステム「Winnow Waste Monitor」を導入し、食品ロス削減に取り組んでいるほか、ホテル内廃棄物のリサイクル率が80%以上に達していると公式発表で示されています。
特徴:
恵比寿駅直結という抜群の立地で、東京タワー眺望の客室も選べます。フィットネスセンター、レストラン、バー、ラウンジを備え、24時間対応のルームサービスも利用可能。客室には評価の高いHeavenly BedやフラットスクリーンTV、無料WiFiが標準装備されており、平均5日間の滞在にも対応できる快適さです。
価格帯: 高価格帯
向いている人:
食品ロスやリサイクル率など、数値で示された環境パフォーマンスを重視したい方、恵比寿エリアで長期滞在を考えている方
気になる点:
リサイクル率80%の対象範囲(全廃棄物か一部区分か)、年度、算定方法については公式発表で詳細が確認できませんでした。また、日本のホテルが公表する「リサイクル率」には、焼却時の熱回収(サーマルリサイクル)が含まれる場合があり、欧州などで重視される物質再利用(マテリアルリサイクル)とは基準が異なる可能性があります。
予約する
一休で予約する4. アロフト東京銀座
場所|銀座
サステナビリティへの取り組み:
マリオット系列で「Green Key」認証取得。公式サイトでは、個包装アメニティの品目を5種類程度に絞る方針や、再生紙など環境配慮型素材を用いたトイレットペーパーの採用が案内されています。
特徴:
銀座中心部に位置し、銀座・東銀座駅から数分、東京国際フォーラムも近い好立地。24時間利用可能なジム、ルーフトップテラス、定期的なライブ音楽イベント(Live@Aloft)を開催するなど、アクティブな滞在が楽しめます。客室には55インチ4K TVとウォークインシャワーを備え、無料WiFiも完備。ショッピングやダイニングエリアへのアクセスも抜群です。
価格帯: 中〜高価格帯
向いている人:
アメニティの品目制限という具体的な削減方針を評価したい方、立地と価格帯のバランスを重視する方、銀座でのショッピングや食事を楽しみたい方
予約する
一休で予約する5. 東京マリオットホテル
場所|品川
サステナビリティへの取り組み:
「Sakura Quality An ESG Practice(4御衣黄ザクラ)」を取得。木製・竹製などの環境配慮型アメニティの導入のほか、品川神社例大祭などの地域催事へ積極的に参加していることが評価されたと公式サイトで公表されています。
特徴:
品川エリアに位置し、目黒川の桜並木や豊洲市場にも近く、無料の駅送迎サービスがあります。Lounge and Dining Gなどのレストランやカフェを備え、庭園ビューも楽しめる落ち着いた雰囲気。無料WiFi、コンビニ併設、テラスなど、長期滞在にも対応できる設備が整っています。
価格帯: 高価格帯
向いている人:
地域イベントとの連携など、地域社会との関わりを重視したい方、品川エリアで庭園の景色を眺めながらゆったり過ごしたい方
予約する
一休で予約する6. SORANO HOTEL(ソラノホテル)
場所|立川
サステナビリティへの取り組み:
使い捨て歯ブラシなどのアメニティを客室に常備せず、持参を推奨する「アメニティ廃止」の方針を明示。2024年時点で、全客室のタオルに東京・青梅のタオルメーカー「ホットマン」によるフェアトレード認証コットンタオルを採用しているほか、リサイクル可能なウレタンマットレスを導入するなど、調達・廃棄基準の詳細を公開しています。
特徴:
多摩地区の立川市に位置し、昭和記念公園やGreen Springsショッピングモールから徒歩5分。富士山眺望が可能なバルコニー付きの広々とした客室が特徴で、フィットネスセンター、バー、レストラン、無料WiFiと駐車場を完備。ペット同伴も歓迎しており、都心から少し離れた自然豊かなエリアでリラックスした滞在ができます。
価格帯: 中価格帯
向いている人:
使い捨てアメニティの完全廃止を支持したい方、フェアトレード製品や地域企業との連携を重視する方、都心の喧騒を離れて自然に近い環境で過ごしたい方、ペットと一緒に旅行したい方
予約する
一休で予約する7. スーパーホテルPremier銀座(他、都内各店舗)
場所|東銀座
サステナビリティへの取り組み:
公式サイトによると、日本環境協会が運営する「エコマーク(ホテル・旅館)」の認定を受けています(2024年時点)。公式サイトでは「Lohas(ロハス)」をコンセプトに掲げ、環境配慮型素材の内装使用や、有機野菜・地産地消メニューを取り入れた朝食の提供を明記しています。
特徴:
銀座駅から徒歩4分、東銀座駅近くの銀座中心部という立地ながら、奥湯河原から直送される天然温泉とマッサージルームを完備。無料WiFi、音響絶縁壁の客室、深浴槽と電子ビデ付きトイレなど、快適性にも配慮されています。清潔さと立地の良さが高く評価されており、価格を抑えながらも充実した滞在が可能です。
価格帯: 低〜中価格帯
向いている人:
日本国内の公的機関による認証を重視したい方、地産地消や有機野菜などの食の取り組みに関心がある方、予算を抑えながらサステナブルな選択肢を探している方、銀座で温泉を楽しみたい方
予約する
一休で予約する8. 帝国ホテル 東京
場所|日比谷
サステナビリティへの取り組み:
国連ガイドライン等を踏まえた「サステナビリティ調達方針」を公式サイトで公開し、サプライチェーンへの配慮を明文化。館内では、FIT非化石証書の活用などにより実質的にCO2排出を抑えた電力を導入しているほか、宴会場や一部のレストラン・バーラウンジで、レインフォレスト・アライアンス認証農園産のコーヒーを提供しています。
特徴:
皇居と日比谷公園近く、銀座・日比谷駅から徒歩5〜10分という歴史あるラグジュアリーホテル。フランス料理を中心とした8軒のレストラン、スパ、ホットタブ、サウナを完備し、客室にはプレミアムベッド、フラットスクリーンTV、ミニバー、無料WiFiが備わっています。長年培われたホスピタリティと格式ある雰囲気が特徴です。
価格帯: 高価格帯
向いている人:
調達方針の開示や認証製品の採用など、サプライチェーン全体への配慮を評価したい方、歴史と格式を重んじる方、皇居周辺でラグジュアリーな滞在を楽しみたい方
気になる点:
「CO2フリー電力」はFIT非化石証書などの仕組みを活用したもので、物理的に100%再生可能エネルギーとは限りません。
予約する
一休で予約する9. ザ・キャピトルホテル 東急
場所|溜池山王
サステナビリティへの取り組み:
日本サステイナブル・レストラン協会に加盟し、食を通じたサステナビリティ(プラントベースフードや地産地消)を推進。客室用ミネラルウォーターにはラベルレス仕様のアルミ缶を採用し、館内での回収を通じて資源循環に取り組んでいます。また、ペットボトル再利用生地を使用した保冷バッグを制作するなど、具体的な資源循環の事例が公式サイトで紹介されています。
特徴:
東京皇居近く、国立新美術館や東京タワーも徒歩圏内という文化的なエリアに位置。フルサービススパ、室内プール、3軒のレストラン、2軒のバーを備えた充実の設備が魅力です。クラブラウンジアクセス付きの客室もあり、無料WiFiと庭園ビューが楽しめます。スタッフのホスピタリティの高さが特に評価されています。
価格帯: 高価格帯
向いている人:
レストラン運営におけるサステナビリティや、資源循環の具体例を知りたい方、皇居周辺で文化施設を訪れながら上質な滞在をしたい方、スパやプールなどの施設を重視する方
予約する
一休で予約する認証や取り組みを比較するときに知っておきたいこと
第三者認証の意味
「Sakura Quality An ESG Practice」や「Green Key」、「エコマーク」といった認証は、ホテルが自己申告するだけでなく、第三者機関による審査・現地調査を経て付与されるものです。これにより、「サステナブル」という言葉の根拠が一定程度担保されます。
ただし、認証を取得していないホテルが環境配慮をしていないわけではありません。認証取得には費用や時間がかかるため、独自の基準で運営している施設もあります。また、小規模な宿やゲストハウスの中には、認証制度にはなじまないものの、地域に根ざした取り組みを続けているところもあります。
なお、多くの認証は更新制であるため、取得時期や有効期限を確認することも大切です。
アメニティ廃止・削減の考え方
使い捨てアメニティの廃止や削減は、多くの公的機関やNGOが推奨する、プラスチックごみ削減策のひとつとされています。一方で、「持参できない」「忘れた」といった場合の不便さを感じる方もいるかもしれません。
施設によっては、リクエスト制や有料提供に切り替えているところもあるため、予約前に確認しておくと安心です。
数値や用語の背景
この記事では、各ホテルが公式に発表している「リサイクル率」「CO2フリー電力」「フェアトレード」などの情報を紹介していますが、それぞれの用語には以下のような背景があります:
- リサイクル率: 対象範囲(全廃棄物か特定区分か)、算定方法、年度によって数値の意味が変わります。また、日本では焼却時の熱回収(サーマルリサイクル)を含む場合が多く、欧州などで重視される物質再利用(マテリアルリサイクル)とは基準が異なることがあります。
- CO2フリー電力: FIT非化石証書などの仕組みを活用したもので、物理的に100%再生可能エネルギーとは限りません。
- フェアトレード・認証製品: どの認証スキームか、どの範囲で採用されているかによって意味が異なります。
これらの詳細が公式サイトで明示されていない場合もあるため、気になる方は直接ホテルに問い合わせることをおすすめします。
情報開示がないことの意味
今回紹介した施設は、公式サイトやニュースリリースで認証や取り組み内容を公表しているものに限定しています。情報開示が不十分な施設については、「取り組んでいない」のか「公表していないだけ」なのかを判断できないため、掲載していません。
他の選択肢も含めて考える
旅行の目的を考える
旅行の目的や頻度を見直し、本当に必要な移動・宿泊だけに絞ることは、移動に伴うCO2排出などの環境負荷を減らす一つの方法になりえます。ただし、これは観光業や地域経済への影響とも関わるため、一概に正解が一つとは言えません。
認証のないホテルでも、個別に問い合わせる
公式サイトに情報がなくても、直接ホテルに「アメニティの提供方針」や「環境への取り組み」を問い合わせることで、現場の運営姿勢を知ることができる場合があります。
地域の小規模宿泊施設を選ぶ
大手チェーンではなく、地域に根ざした小さな宿やゲストハウスを選ぶことで、地域経済への貢献や、地元との関わりを重視した滞在ができる可能性もあります。
さいごに
本記事で紹介した事例のように、東京都内には第三者認証を取得したり、環境配慮や社会貢献の取り組みを公式に公開したりしているホテルが複数あります。
どのホテルも完璧ではなく、それぞれに得意な分野と、まだ開示されていない部分があります。
あなたが「何を大切にしたいか」――認証の有無、アメニティの方針、地域との関わり、価格帯、立地、情報開示の透明性など――によって、選ぶべきホテルは変わってきます。
この記事が、あなた自身の判断材料のひとつになれば幸いです。







