スーパーで野菜を買うと、一人暮らしには多すぎて余らせてしまう。洗剤のボトルがどんどん増えて、捨てるときに罪悪感がある。環境に配慮した買い物をしたいけれど、具体的にどの店をどう使えばいいのか分からない。
そんな「量り売り」や「リフィル」という仕組みに関心を持ちながらも、実際に利用するまでの一歩が踏み出せずにいる方は少なくありません。
この記事では、東京都内で利用できる量り売り・リフィルショップの情報を、食品、アルコール、日用品、お菓子というカテゴリ別に整理してお伝えします。それぞれの店舗がどのような商品を扱い、どのような仕組みで販売しているのか、そして「どんな人に向いているか」を中心にまとめました。
すべての店舗を試す必要はありませんし、今すぐ決める必要もありません。ご自身の生活スタイルや価値観に照らして、「ここなら試してみたい」と思える場所があるかどうか、確認する材料として読んでいただければと思います。
この記事で紹介する店舗の調査視点
本記事で取り上げる店舗は、以下の視点で調査・選定したものです。これは優劣を示すものではなく、読者が店舗を比較検討する際の「フィルタ条件」として整理したものです。
調査した視点:
- パッケージフリーでの販売 — 商品が個包装されず陳列されているか
- リフィル販売の実施 — 容器を持参して中身だけを購入できる仕組みがあるか
- サステナビリティへの取り組み — 容器持参の推奨、使い捨て包装の削減、リユース容器の循環など、店舗が公式に明示している環境配慮の取り組み
なお、各店舗の情報は公式サイトおよび公開資料をもとにしており、記載のない事項については「情報なし」と明記しています。
食品・グローサリーを扱う量り売りショップ
1. HACARI(ハカリ)— 目黒区中目黒
中目黒にある八百屋で、産地直送の野菜を量り売りする店舗です。運営元の株式会社yolozは、自社調べとして「日本唯一の量り売り八百屋」と紹介しています。
丸ごとの野菜だけでなく、キャベツを1/4にカットしたものなど、さらに小分けにした状態での販売にも対応しています。野菜は個包装されずに陳列されており、過剰包装がありません。
一人暮らしや少人数世帯で、スーパーのパック詰め野菜の量が多いと感じている方、野菜を余らせがちでフードロスを出したくない方に向いています。
取り扱い品目の詳細については公式サイト上に具体的な記載がないため、訪問前に店舗やSNSで確認することをおすすめします。
お店情報
2. つるかめ商店 — 世田谷区上馬
世田谷区上馬にある、自然食品と乾物、スパイスなどを扱う量り売り専門店です。公式サイト上では詳細な理念の記述は少ないものの、量り売りと環境配慮を軸にした地域密着型の店舗運営を行っています。
必要な分だけ購入できるスタイルを徹底しており、親しみやすい店舗設計が特徴です。
世田谷エリアで、気軽に量り売りを利用してみたい方に向いています。
具体的な商品ラインナップ、容器持参の可否などの詳細は公式サイトに記載がないため、来店前に確認が必要です。
お店情報
3. 量り売りとまちの台所 野の — 三鷹市下連雀
三鷹市にある、調味料、乾物、日用品の量り売りと地場野菜の販売を行うコミュニティスペースです。公式サイトでは「ゴミを出さないお買い物」をコンセプトに掲げ、地域循環と環境配慮をテーマにした拠点として運営されています。
徹底して「容器持参(BYO: Bring Your Own)」を推奨しており、店舗での容器貸し出しやリユース容器の循環システム(地域連携)にも取り組んでいます。ほぼ全ての商品が個包装なしで提供されています。
本格的にゴミを減らす暮らし(ゼロウェイスト)を実践したい方、お店の人と会話しながら買い物を楽しみたい方に向いています。
一方で、容器の持参が基本となるため、容器を持っていくことが推奨されています。お店で、紙袋や瓶などの購入も可能です。
お店情報
4. Liten refill shop(リーテン)— 小金井市梶野町
JR中央線・東小金井駅近くにある、食品・日用品・雑貨を扱うゼロウェイスト専門店です。店名の「Liten(リーテン)」はスウェーデン語で「小さい」を意味し、「ごみを減らす、心地よい暮らし」をコンセプトに掲げています。
必要な量だけ購入できる仕組みで、液体・固形を問わず幅広い品目で量り売りを実施しています。容器ドネーションシステムがあり、家庭で余った空き瓶を洗浄・煮沸消毒して店舗で回収し、容器を忘れた人が利用できる循環の仕組みを設けています。
取り扱い食材はオーガニック(有機栽培)、フェアトレード、無添加などの基準でセレクトされており、洗剤も環境中で生分解されやすい成分のものを扱っています。
小金井エリア周辺で、プラスチックゴミを出さない買い物を実践したい方、必要な分だけ少量ずつ高品質なオーガニック食材や洗剤を購入したい方、環境に配慮したギフトや生活雑貨を探している方に向いています。
ただし、基本的に容器(タッパー、空き瓶、保存袋など)の持参が推奨されており、液体商品の購入には密閉できる容器が必要です。営業日や時間は変更になる場合があるため、訪問前に公式サイトやSNSでの営業カレンダー確認が必要です。
お店情報
5. Bio c’ Bon(ビオセボン)— 麻布十番、中目黒、恵比寿、自由が丘、日本橋など都内多数
フランス発のオーガニックスーパーマーケットで、都内に複数店舗を展開しています。「オーガニックを日常に」をコンセプトに、地球にやさしいスーパーマーケットを標榜しています。
店内に「バルク(量り売)コーナー」を設置しており、ナッツ、ドライフルーツ、チョコレートなどを必要な分だけ購入できます。ユーザー自身がスコップで紙袋に詰めるセルフサービス形式で、プラスチック包装を削減できる仕組みです。
日常の買い物ついでに少しずつゼロウェイストを取り入れたい方、ナッツやドライフルーツを少量(おやつ程度)から買いたい方に向いています。
基本は備え付けの紙袋を使用する形式です。持参容器への充填可否は店舗により運用が異なる可能性があるため、店頭での確認が推奨されます(公式サイトには「紙袋に入れて」との記述が主)。
お店情報
6. 85(ハチゴウ)— 中央区日本橋室町(コレド室町テラス)
日本橋室町のコレド室町テラス内にあるライフスタイルショップです。「発酵」をキーワードに、健康と環境に配慮した暮らしを提案しています。
発酵食品、オーガニックコスメ、生活雑貨の販売に加え、量り売りコーナーを併設しています。ナッツやドライフルーツなどの食品に加え、「エコストア」の洗剤量り売りも実施している複合型店舗です。洗剤は空き容器を持参して購入可能です。
食品と日用品(洗剤)の補充を一度に済ませたい方、ギフトとして使えるような高品質なオーガニック商品を探している方に向いています。
容器持参の詳細な条件については公式サイトに記載がないため、来店前に確認することをおすすめします。
お店情報
7. AKOMEYA TOKYO(アコメヤ トウキョウ)— 一部店舗
「お福分けのこころ」をコンセプトに、こだわりの米や食品を提案する店舗です。
一部店舗では、玄米の量り売りとその場での精米サービスを実施しています。玄米を1kg単位などで購入でき、好みの分づき(白米、3分づき等)に精米してもらえます。既製品の袋詰めではなく、注文後に計量・精米して紙袋等に入れるスタイルです。
ただし、全店舗ではなく精米機設置店舗に限られるため、公式サイトの店舗一覧で「米量り売り」アイコンを確認する必要があります。
取り扱い品種の詳細は店舗でご確認ください。
お店情報
アルコールを扱う量り売りショップ
8. Liquor Shop NIGHT OWL(ナイトオウル)— 渋谷区恵比寿
恵比寿にある、量り売り(ドラフト)を中心とした酒販店です。リユース容器で持ち帰るスタイルを専門としています。
クラフトビール、サイダー、コンブチャ、日本酒などの量り売りを行っており、「グラウラー(耐圧リユース容器)」での持ち帰りを基本サービスとしています。容器を持っていない場合は、レンタルや店舗販売容器も利用可能です。
自宅で飲食店の生ビールの味を楽しみたい方、瓶や缶のゴミ捨てを面倒に感じている方に向いています。
お店情報
9. TAP&GROWLER(タップアンドグラウラー)— 世田谷区(下北沢)
下北沢にあるクラフトビール量り売り専門店兼ビアバーです。「日常にクラフトビールを」をコンセプトに、お気に入りのビールを持ち帰る文化(グラウラー)の普及を目指しています。
国内外のクラフトビールの角打ち(店内飲酒)および量り売りテイクアウトを提供しており、専用充填機を使用して炭酸を抜かずに持ち帰り容器(グラウラー)へ注ぐ技術を持っています。リユース可能なボトルの利用を推奨しています。
自宅で本格的な生ビールを楽しみたい方、ゴミを出さずにテイクアウトしたい方に向いています。
お店情報
日用品(洗剤・コスメ)を扱う量り売りショップ
10. ecostore(エコストア)— アトレ恵比寿店、その他取扱店
ニュージーランド発のホームケア・ボディケアブランドで、「人にも環境にもやさしい」製品作りをコンセプトとしています。
洗濯洗剤、食器用洗剤などの量り売り「リフィルステーション」を設置している店舗があります。自宅にある空きボトル(ペットボトル等も可)を持参すれば、必要な量だけ購入可能で、ゴミ削減とお得な価格設定を両立しています。
取扱店としては、アトレ恵比寿店のほか、Three little song birds 国分寺などがあります。
蓋が閉まり、中身が漏れない清潔な容器を持参する必要があります。食品用容器との誤用を防ぐため、ラベルを貼る等の対策が推奨される場合があります。
お店情報
人にも環境にもやさしいエコストア11. LUSH(ラッシュ)— 全国展開(実店舗およびオンライン)
「Fresh Handmade Cosmetics」をコンセプトに掲げるフレッシュハンドメイドコスメブランドです。動物実験反対、100%ベジタリアン、エシカルバイイング(倫理的な原材料調達)を理念としています。
石鹸、バスボム、スキンケア、ヘアケア製品の販売を行っており、一部店舗ではスパトリートメントも提供しています。
また、製造年月日と作り手の名前(似顔絵シール)を商品に明記し、鮮度を重視しています。
原材料は合成保存料の使用を最小限に抑え、オーガニック素材やフェアトレード原材料を積極的に使用しています。
自身の消費行動を通じて社会課題や環境保護に貢献したい方、原材料の由来や鮮度を重視する方に向いています。
ただし、フレッシュ(生)な原材料を使用しているため、一部商品には使用期限が短く設定されているものや、冷蔵保存が必要なものがあります。
お店情報
キャンディを扱う量り売りショップ
12. CANDY・A・GO・GO — 渋谷区(原宿)ほか
原宿を中心に展開する、キャンディ・グミの計り売りショップです。「お菓子のワンダーランド」をコンセプトに、世界中のポップでカラフルな菓子を集めています。
100種類以上のキャンディ、グミ、チョコレートの量り売り(Pick & Mix)を提供しており、好きなものを好きなだけ袋に詰めることができます。原宿カルチャーを体現した派手で楽しい店舗内装とスタッフのコスチュームが特徴で、エンターテインメント性があります。
視覚的に楽しみながらお菓子を選びたい方、原宿らしい体験を求める方に向いています。
お店情報
補足:初めて量り売り・リフィルショップを利用する際の準備
量り売りやリフィルのサービスを初めて利用する場合、以下のような準備をしておくとスムーズです。
容器の準備: 多くの店舗では容器持参(BYO: Bring Your Own)を推奨しています。自宅にある清潔な空き瓶、タッパー、ジッパー付き保存袋などが利用できます。液体商品を購入する場合は、蓋がしっかり閉まり密閉できる容器を選んでください。
容器がない場合: 店舗によっては、紙袋の提供、容器の貸し出し、リユース容器の提供、容器の販売などの対応を行っている場合があります。ただし、対応は店舗により異なるため、訪問前に公式サイトやSNSで確認することをおすすめします。
容器の衛生管理: 持参する容器は事前によく洗浄し、完全に乾燥させてから持ち込んでください。店舗によっては衛生管理上、汚れや水分が残っている容器への充填を断られる場合があります。
営業時間・営業日の確認: 量り売り専門店は、営業時間や営業日が変更になることがあります。特に初めて訪問する際は、公式サイトやSNSで最新の営業カレンダーを確認してから出かけると安心です。
「わからないこと」を聞く姿勢: 量り売りの仕組みや容器の使い方、商品の選び方など、わからないことがあれば店舗スタッフに質問することができます。多くの店舗では、初めての利用者にも丁寧に説明してくれる体制を整えています。
関連記事:量り売りの魅力を徹底解説!初心者でも安心の買い物術
さいごに|自分に合う店を見つけるために
ここまで、東京都内で利用できる量り売り・リフィルショップを12店舗ご紹介してきました。
食品から日用品、お酒、お菓子まで、扱う商品の種類も、店舗の雰囲気も、環境配慮の取り組みの内容も、それぞれ異なります。容器持参が必須の店舗もあれば、紙袋で対応している店舗もあります。地域密着型の小さな店舗もあれば、全国展開しているチェーン店もあります。
大切なのは、「どの店が良いか」ではなく、「自分の生活にどう取り入れられるか」という視点です。
通勤経路にある店舗なら続けやすいかもしれません。週末に少し足を伸ばして、特別な買い物として楽しむのも良いでしょう。容器の準備や持ち運びが面倒に感じるなら、紙袋対応の店舗から始めるのも選択肢です。
「今はまだ自分には合わない」と判断することも、立派な選択です。無理に取り入れる必要はありませんし、急いで決める必要もありません。
この記事が、ご自身にとっての「ちょうどいい一歩」を見つけるための材料になれば幸いです。






