「サステナブルなホテルに泊まりたい」という言葉を、旅行サイトや雑誌で見かける機会が増えました。大阪でも、環境への配慮や地域との関係性を打ち出す宿泊施設が少しずつ現れています。
ただ、「サステナブル」で検索してみると、第三者認証を取得しているところもあれば、自社の取り組みを自己申告しているだけのところもあって、何を根拠に選べばいいか迷うのが正直なところです。
この記事では、各施設の公式サイトやプレスリリースをもとに確認できた情報を整理しています。施設の優劣を判断するものではなく、「自分の旅の目的に合うかどうか」を考えるための材料として読んでもらえると幸いです。今すぐ予約しなくてもいいですし、どれも選ばないという結論だって、もちろんあります。
編集部の選定基準
今回は、以下の4つの視点をもとにホテルを絞り込みました。あくまで「公式情報として確認できたかどうか」が基準であり、掲載されていないホテルが取り組みをしていないわけではありません。
- 第三者認証の取得状況 「Sakura Quality An ESG Practice」(GSTCが承認した宿泊施設向けスタンダード)や国際環境認証「Green Key(グリーンキー)」など、宿泊施設向けの認証プログラムを取得し、公式に公表していること
- 情報開示の透明性 「サステナブル」「エコ」と表現する際に、認証名・評価内容・数値目標といった根拠を公式サイトで確認できること
- 資源管理・環境施策の方針 省エネ設備の導入、節水、廃棄物削減、プラスチック削減など、具体的な施策が明示されていること
- 地域や調達先への配慮 地産地消、地域事業者との連携、地域社会への貢献など、社会・経済面での取り組みが公開されていること
掲載情報は2026年3月時点で確認できた一次情報(公式サイト・ニュースリリース)に基づいています。
施設紹介
1. ホテルニューオータニ大阪
場所|大阪市中央区城見・JR「大阪城公園」駅徒歩圏
施設の特徴
大阪城公園に隣接するニュー・オータニグループのホテルです。客室数525室の大型施設で、公園の緑に面した立地が特徴です。
サステナブルな取り組み(公式情報に基づく)
公式サイトのSDGsページでは、水資源管理の取り組みとして全525室への節水装置の導入が紹介されており、従来比で水の使用量を50%削減したと明記されています。SDGsへのコミットメントと環境・社会に関する方針も文書化・公開されています。
今回の調査で定量的に確認できたのはこの節水実績のみです。エネルギー消費量や廃棄物量などのKPIが継続的に公表されているかどうかは、公式サイトでの直接確認をお勧めします。
この施設が向いている可能性がある人
水資源の保全について数値で取り組みを確認したい方、大阪城公園周辺への滞在を検討している方。
注意点・合わない可能性
エネルギー・廃棄物・調達面の詳細情報は今回の調査範囲では確認できていません。開示情報の範囲は限定的です。
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一休で詳しく見る2. 帝国ホテル大阪
場所|大阪市北区天満橋・JR「桜ノ宮」駅徒歩圏
施設の特徴
中之島エリア、旭橋のそばに建つ帝国ホテルグループの大型施設です。
サステナブルな取り組み(公式情報に基づく)
公式サイトのサステナビリティページには、複数の取り組みが記載されています。宿泊施設品質認証「Sakura Quality An ESG Practice」では最高評価「5御衣黄ザクラ」を取得。館内へのCO2フリー電力の導入と、2050年のカーボンニュートラル達成を長期目標として公式に表明しています。
なお、Sakura Quality An ESG Practiceは運営団体によればGSTCが承認したスタンダードに基づく認証ですが、GSTCがホテルを直接認証するスキームとは別のものです。
この施設が向いている可能性がある人
認証取得と長期的な環境目標の両方を確認したい方、国内系の大型ホテルで第三者評価の実績がある施設を探している方、中之島エリアへのアクセスを重視する方。
注意点・合わない可能性
確認できた事項はCO2フリー電力の導入・最高評価認証の取得・カーボンニュートラル目標の3点です。水使用量・廃棄物量・調達面の詳細数値は公式情報では確認できていません。認証の審査内容の詳細は認証機関の公開情報を参照してください。
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一休で詳しく見る3. ホテル日航大阪
場所|大阪市中央区西心斎橋・地下鉄「心斎橋」駅直結
施設の特徴
心斎橋駅に直結するホテルで、オークラ ニッコー ホテルマネジメントが運営しています。
サステナブルな取り組み(公式情報に基づく)
公式サイトのSDGsページでは、認証取得と環境施策がまとめて紹介されています。「Sakura Quality An ESG Practice」と「A Clean Practice」の2種類の認証を取得済みです。環境面では館内照明のLED化を全体の60%で完了しており、省エネ法に基づくSクラス(最高評価)も取得しています。省エネ法のSクラスは、経済産業省・環境省が定める評価制度で最高位の区分であり、エネルギー消費原単位の改善が一定基準を超えることが条件となります。
この施設が向いている可能性がある人
複数の第三者認証の取得状況を判断材料にしたい方、省エネ実績について政府認定を持つ施設を探している方、心斎橋エリアへの直結アクセスを重視する方。
注意点・合わない可能性
確認できた取り組みは照明LED化(60%)・省エネ法Sクラス・2種の認証取得です。水使用・廃棄物・地域連携に関する詳細は確認できていません。各認証の審査内容は認証機関の公開情報でご確認ください。
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一休で詳しく見る4. ザ・リッツ・カールトン大阪
場所|大阪市北区梅田・JR「大阪」駅徒歩圏
施設の特徴
梅田エリアに位置するマリオット・インターナショナル傘下のラグジュアリーホテルです。
サステナブルな取り組み(公式情報に基づく)
国際環境認証「Green Key(グリーンキー)」の取得がマリオット・インターナショナルの公式プレスリリース(2024年11月)で確認されており、関西のホテルとして先駆的な取得事例です。Green Keyは、デンマーク拠点の非営利団体Foundation for Environmental Education(FEE)が運営する国際認証で、エネルギー管理・水資源保全・廃棄物削減・環境教育など13のカテゴリ・75以上の必須項目への適合が審査されます。
グループ全体の環境・社会方針「Serve360」に基づく運営方針はグループ公式サイトで確認できますが、大阪施設単体のエネルギー使用量や廃棄物量といった数値は公開されていません。
この施設が向いている可能性がある人
国際的な第三者認証(Green Key)の取得を宿泊選びの基準にしたい方、梅田エリアへのアクセスを重視する方。
注意点・合わない可能性
今回の調査で確認できたのはGreen Key認証取得の1点です。施設固有のエネルギー・水・廃棄物に関する数値は公開されていないため、認証取得以上の詳細な情報を求める場合は、Green Key公式サイトの確認が必要です。
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一休で詳しく見る5. W大阪
場所|大阪市中央区南船場・地下鉄「心斎橋」駅徒歩圏
施設の特徴
心斎橋エリアに位置するマリオット・インターナショナル傘下のデザイン系ブランドのホテルです。
サステナブルな取り組み(公式情報に基づく)
「Green Key」の取得がマリオット大阪の公式プレスリリース(2025年2月)で確認されています。グループ全体の環境・社会方針「Serve360」のもと、省エネや水資源保全への取り組みも言及されています。Green Keyの審査基準はザ・リッツ・カールトン大阪と同様です(13カテゴリ・75以上の必須項目)。
施設単体での具体的な施策の詳細や数値については、公式サイト上では確認できませんでした。
この施設が向いている可能性がある人
国際認証の取得状況を参考にしたい方、デザイン性の高い施設でサステナビリティへの取り組みも確認したい方、心斎橋エリアを拠点にしたい方。
注意点・合わない可能性
確認できた事項はGreen Key認証取得とServe360への言及の2点にとどまります。廃棄物削減などの施設固有の取り組みの詳細・数値は公開されていません。
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一休で詳しく見る6. ホテルグランヴィア大阪
場所|大阪市北区梅田・JR「大阪」駅直結
施設の特徴
JR大阪駅直結、JR西日本グループが運営する大阪の主要ターミナルホテルです。
サステナブルな取り組み(公式情報に基づく)
公式サイトのSDGs・サステナブルな取り組みページとホテル業界メディアの記事から、複数の施策が確認できます。環境面では館内照明のLED化と、宿泊料金にCO2オフセット費用を組み込んだ宿泊プランを設けています。食の分野では、大阪近郊の農家から調達した食材を使った朝食の提供と地域農業への支援を行っており、フードロス削減への取り組みも表明されています。
地元生産者との連携はGSTCが示す「地域社会への経済的便益」という評価軸と方向が重なる取り組みですが、調達先の詳細やフードロス削減の定量的な実績までは確認できていません。
この施設が向いている可能性がある人
地産地消や地域農業支援への取り組みを重視する方、CO2オフセット付きプランで宿泊そのものをサステナビリティ参加の機会にしたい方、大阪駅直結の利便性と環境配慮を合わせて検討したい方。
注意点・合わない可能性
確認できた取り組みは地産地消朝食・CO2オフセットプラン・LED化・フードロス削減への言及の4点です。定量的な実績数値や、水使用・廃棄物量のデータは確認できていません。第三者認証の取得も今回の調査では確認できませんでした。
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一休で詳しく見る補足|この記事を読んだあとに確認してほしいこと
各施設をさらに詳しく調べたい方は、以下の点を公式サイトで直接確認することをお勧めします。
- 認証の審査内容や評価結果の詳細は、ホテルの公式サイトだけでなく各認証機関のサイト(Green Key:greenkey.global、Sakura Quality:sakura-quality.com)でも確認できます
- エネルギー削減率・CO2排出量・廃棄物量といった数値が継続的に更新・公開されているかは、取り組みの継続性を見るひとつの目安になります
- チェーン系ホテルの場合は、ブランド全体の方針と大阪施設固有の取り組みを切り分けて確認することを勧めます
この記事に掲載していない施設や、掲載後に更新された情報については、各施設の公式サイトおよび認証機関の公開リストを直接ご参照ください。
まとめ|あなたの「選ぶ理由」はどこにありますか?
今回紹介した6施設は、いずれも公式情報として何らかのサステナビリティへの取り組みが確認できました。ただ、開示されている情報の量や深さはホテルによってかなり異なります。
国際的な第三者認証(Green Key)の取得が確認できているのはザ・リッツ・カールトン大阪とW大阪の2施設。節水50%削減という数値を公式に出しているのはホテルニューオータニ大阪、省エネ法Sクラスという政府認定を持つのはホテル日航大阪です。地元農家との連携を軸に据えているのがホテルグランヴィア大阪で、2050年カーボンニュートラルを長期目標として掲げているのが帝国ホテル大阪です。
「どの取り組みを自分は重視するか」という問いは、ホテル選びの前に、自分が旅に何を求めるかを問い直すことでもあります。この記事がその整理の一助になれば幸いです。
掲載情報は各ホテルの公式サイト・公式プレスリリースに基づき、2026年3月時点で確認できた内容を記載しています。情報は予告なく変更される場合があります。最新情報は各施設の公式サイトでご確認ください。








