気候変動によって、地球の温度が上がり、森林火災や大雨などの災害が起こっています。人間の活動によって二酸化炭素の排出が増えたことが原因で、地球温暖化が進んでいる今、二酸化炭素の排出を減らすことが必要なのですが、もうすでに排出された二酸化炭素を吸収することも必要です。
そこで注目されているのが、ジオエンジニアリング(気候工学)。科学の技術を使って、地球温暖化を減らす対策です。大気にエアロゾルを注入して、太陽光を反射して地球を冷やす方法など、人の手によって気候を変えようという研究が進んでいます。
しかし、どんな副作用が起きるか分からない部分も多く、倫理的な問題があります。ジオエンジニアリングを使用することに慎重になっている研究者もいます。
あなたはジオエンジニアリングに賛成ですか?それとも、慎重になるべきだと思いますか?私はこのような技術の研究を進めることは意義があると思いますが、技術だけに頼らず、二酸化炭素の排出を減らすことを忘れてはいけないと思います。
今回の記事ではジオエンジニアリングの倫理的な問題について考えましょう。
気候変動に具体的な対策を
SDGsの 目標13に「気候変動に具体的な対策を」という項目があります。気候による災害や自然災害が起きたときに、国が対応できるようにしたり、気候変動への対応を国の政策や戦略に含めるという内容です。
対策には、再生可能エネルギーに変換したり、木を植えて二酸化炭素をもっと吸収したりする対策がいろいろ挙げられています。化石燃料の使用を減らしたり、貧しい国への経済支援も大切な対策です。そして、大気から温室効果ガスを取り除くジオエンジニアリングも検討されています。
実際にネガティブエミッション技術(NET)の開発研究は進んでおり、Climeworkというスイスの会社は換気扇で吸い取り、フィルターで二酸化炭素を吸収することに成功しています。回収した二酸化炭素は炭酸飲料に使ったり、地中に貯蔵することが提案されています。
ジオエンジニアリングは解決法なのか?
ジオエンジニアリングに関する意見をそれぞれ見てみましょう。
ジオエンジニアリングを使う必要がある
私たち人間が大気汚染をしたのだから、私たちが直す必要がある。二酸化炭素の排出量を減らすことが最前提ですが、もうすでに大気中に排出された二酸化炭素を吸収しなければいけません。木を植えて二酸化炭素を吸収することもできますが、土地にも限りがあり、科学技術を使わないといけないときが来るかもしれません。それまでに、安全に空気中の二酸化炭素を吸収する方法を研究することが必要不可欠になります。
副作用が分からないので、慎重になるべき
人間の力で地球温暖化を抑えようとする試みは大切ですが、どのような副作用があるのか分からない技術を使用するのは危険性が高いです。地球温暖化の速度を抑えられても、環境や気候を大幅に変えてしまって、もっと人間にとって住みにくい場所になる可能性もあります。新しい技術に慎重にならなければいけないです。
人間は能力や知識を最大限に使うべきか?それとも謙虚になるべきか?
人間は今まで知恵や知識を使って、人間が住みやすい環境を作り上げてきました。今はとても便利な世界になり、知識や技術で病気や問題を解決してきました。
しかし人間の活動により、環境汚染や気候変動が起きているのも事実です。新しい人類の危機に、人間は知識や技術を使って挑むべきなのか?それとも、謙虚になって私たちにも変えられないことがあることを知るべきなのか?
環境や自然資源に関する法律について研究するAlbert C. Lin教授はは著書の中で、科学技術の発展は経済・社会・環境への影響を及ぼし、そのリスクを理解して影響を受ける全ての人が納得してから使用すべきだと主張しています。経済的理由やすぐ目の前の利益を求めることで、リスクを考慮せずに技術を使用してきた歴史があります。実際に技術の開発には多くの投資がされていますが、技術によるリスクを測る研究には大きな予算が設けられていません。
特にジオエンジニアリングのように未熟な科学技術には慎重になる必要があります。ジオエンジニアリングの研究が進むことで、二酸化炭素の排出を減らさずに簡単に地球温暖化を解決できると思う危険性もあります。実際に二酸化炭素の排出量を減らす努力が足りず、大気中の温室効果ガスの量は増える一方です。
ジオエンジニアリングの研究する人の中にも、まずは二酸化炭素を減らす努力をした上で、どうしても空気中の温室効果ガスを減らさなければいけないときに、このような技術を使うという最終的な解決法として考えている人が多いです。
私も技術開発の研究は必要だと思いますが、その前に石油燃料の使用を減らしたり、エネルギーや燃料の使用量を最低限に抑える必要があると感じます。今の先進国の生活を続けていたら、地球がいくつあっても足りないので、生活や経済活動の形を変える必要があるのではないでしょうか。
それでも地球温暖化を食い止めることができない場合は、技術を使用せざる得ないです。そのときが来ないことを願って、もっと二酸化炭素の排出が少ないライフスタイルを取り入れていきたいと思います。