クリスマスにプレゼントを“あげない”のはアリ?お金も心も軽くなる、サステナブルな新しい祝い方

年末が近づくと、街はキラキラとしたイルミネーションに包まれ、クリスマスムードが高まってきます。そんな中で、毎年頭を悩ませるのが「クリスマスプレゼント」ではないでしょうか。

大切な人に喜んでもらいたい。その気持ちは誰もが持っているものです。でも同時に、「何を贈ればいいかわからない」「お金がかかりすぎる」「選ぶのが負担」と感じている人も少なくありません。

実は私も、毎年この時期になると「プレゼント選び」にプレッシャーを感じていた一人です。相手を喜ばせたいという想いと、金銭的・精神的な負担との間で揺れ動く日々。そして、包装紙やリボン、使われないまま眠るプレゼントを見るたびに、「これでいいのかな」とモヤモヤした気持ちにもなっていました。

そこで今回は、「クリスマスプレゼントをあげない」という選択について、考えてみたいと思います。これは決して相手を大切にしないという意味ではなく、むしろ本当の豊かさとは何かを見つめ直すきっかけになるかもしれません。

そもそも、なぜクリスマスプレゼントが負担になるの?

金銭的負担:物価高・イベント疲れ

クリスマスシーズンは、1年の中でも特にお金がかかる時期です。プレゼント代だけでなく、パーティーや外食、装飾品など、出費が重なります。さらに近年の物価高により、「いいプレゼントが買えない」と悩む声も増えています。

年末はクリスマスだけでなく、忘年会や新年の準備なども重なり、いわゆる「イベント疲れ」を感じる人も多いのではないでしょうか。

心理的負担:「喜ばせたい」「外したら怖い」というプレッシャー

大事な人だからこそ、相手が喜ぶものを選びたい——その気持ちが、逆にプレッシャーになることもあります。特に恋人へのプレゼントは、「選び方次第で関係に影響するのでは」と不安になることも。

「何が欲しいか聞くのは味気ない」「でもハズしたらどうしよう」という葛藤は、プレゼント選びを純粋に楽しめなくしてしまいます。

環境への負担:過剰包装・不要なものが増える

クリスマスは、実は環境にも大きな負担がかかる時期です。

イギリスの情報によると、クリスマスの時期の廃棄物の発生量が約30%増加します。これには、毎年10億枚以上のクリスマスカードが含まれます。環境・食糧・農村地域省の推定によると、プレゼントを包む紙を作るために、毎年約5万本の木が伐採されています。また、毎年約1,200万トンのプラスチックが環境に排出されており、これは毎分ごみ収集車1台分の量に相当します。

これに加えて、「もらったけど使わないもの」が増えることで、パッケージ以外のゴミも増えてしまいます。せっかくの贈り物が、結果的に環境負担になってしまうのは悲しいことですよね。

出典: https://www.gov.uk/government/news/24-ways-to-waste-not-this-christmas

“あげない”選択はアリ?やめても人間関係は壊れない?

「やめる」と「大切にしない」は別の話

プレゼントをあげないという選択は、相手のことを思っていないからではありません。むしろ、環境や地球のこと、そしてお互いの負担を考えた上での選択です。

大切な人を想う気持ちは、プレゼント以外の方法でも十分に伝えられます。むしろ、形にとらわれない分、もっと本質的なコミュニケーションができるかもしれません。

大切なのは”気持ちの伝わり方”

プレゼントをもらったり、高価な物を買ってもらうことで、大切にされていると感じる人もいます。でもそれは、本当の意味で「大切にされている」こととイコールではないはずです。

プレゼント以外の方法——たとえば言葉や時間、行動——で大切にされていると実感できれば、それは環境にも優しく、お互いにとっても心地よい関係性を築けるのではないでしょうか。

サステナブルな新しい祝い方:モノより「体験」「時間」「気持ち」

プレゼントを渡さず、一緒に過ごす時間を贈る

プレゼントより、一緒に過ごす時間のほうが特別だと感じることはありませんか?

たとえば、クリスマスプレゼントとして旅行に行く予定を立てたり、一緒に楽しめる体験を探してみるのもいいですね。モノは記憶から消えても、思い出はずっと残ります。

お金をかけない思い出を作る

クリスマスの時期は、どこも混んでいて値段も高くなりがちです。でも実は、家でも十分に特別な時間を過ごせます。

一緒にディナーを作ったり、クリスマス映画を観たり、近所を散歩しながら写真を撮ったり。外出してストレスを溜めるよりも、ゆっくりと過ごすクリスマスも素敵ではないでしょうか。

手紙・メッセージカード・感謝を伝える時間

自分の言葉で感謝の気持ちを伝えるカードは、もらって本当に嬉しいものです。後から見返すたびに、温かい気持ちになれる、素晴らしい贈り物になります。

それでも何か贈りたいとき:低負担&サステナブルな代替案

使い切れる消耗品(食品・日用品・バスグッズ)

相手が必ず使う、必要としているものをプレゼントすれば、無駄がなくなります。たとえば、お気に入りのお茶やコーヒー、バスソルト、エコな日用品など。実用的で、使い終わればゴミにもなりません。

ギフトカード・体験チケット(品物より自由度が高い)

ギフトカードは物ではないので、ゴミを増やさずに済みます。また、映画やコンサート、レストランの体験チケットなどは、新しい体験ができるいい機会にもなります。

環境負担の少ない選択(フェアトレード・パッケージフリー・長く使える)

もしプレゼントを贈るなら、環境に負担が少ないブランドを選ぶのもひとつの方法です。フェアトレードの商品、簡素なパッケージ、長く使えるデザインのものなど。サステナブルに興味がない人にも、その魅力を知ってもらうきっかけになるかもしれません。

角が立たない「プレゼントやめたい」伝え方

“禁止”ではなく”提案”にする

いきなり「今年からプレゼントはなしで」と言うと、相手を戸惑わせてしまうかもしれません。まずは、「私は今年はプレゼントはいらないから、一緒に食事しない?」など、自分から提案してみるのがおすすめです。

「予算を決める・手紙だけにする・一緒に過ごす時間にする」など選択肢を可視化

選択肢を与えることで、お互いの負担を少なくできます。たとえば、「プレゼントを交換するなら、予算は○円までにしよう」「手紙だけ交換しよう」「一緒に過ごす時間を大切にしよう」など。

また、ほしい物リストを作って、本当に必要なものだけをあげられるようにするのも、無駄を減らす良い方法です。

まとめ:豊かさは”モノの数”ではなく”心の余白”

クリスマスプレゼントは、確かに相手を想う素敵な習慣です。でも、それが負担になったり、環境に悪影響を与えているとしたら、一度立ち止まって考えてみてもいいのではないでしょうか。

無理のないクリスマスは、自分にも地球にもやさしい選択です。大切なのは、モノの数ではなく、心の余白。相手との時間や言葉、気持ちを大切にすることで、もっと豊かなクリスマスを過ごせるかもしれません。

今年のクリスマス、あなたはどんな過ごし方を選びますか?

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