「ヴィーガンレストランに行ってみたい」 「環境に配慮した外食がしたい」
そう思いながらも、実際にどの店を選べばいいのか迷っていませんか?
ここ数年、ガイド記事や特集で取り上げられる東京のヴィーガンレストランが増えており、選択肢が広がっていると感じる人も多いようです。環境負荷への関心、健康志向、動物福祉への配慮など、背景にある理由はさまざまです。一方で、「ヴィーガン」や「サステナブル」という言葉だけでは、その店が実際にどんな取り組みをしているのか、自分の価値観と合うのかは見えにくいものです。
公式サイトを見ても、情報の濃淡はまちまち。ある店は具体的な取り組みを丁寧に説明している一方、別の店は「ヴィーガン対応あり」とだけ書かれていて、詳細は不明なこともあります。
この記事では、東京都内のヴィーガンレストランを、公式サイトに記載されている情報のみをもとに整理しました。すぐに決める必要はありません。自分が何を大切にしたいか、どんな体験を求めているかを考えながら、ゆっくり読んでいただければと思います。
編集部の選定基準
本記事で紹介するレストランは、以下の視点で公式サイトを調査し、何らかの情報が明示されている店舗を選びました。
- 動物由来成分の不使用:肉・魚・卵・乳製品などを使用しないことが公式に記載されているか
- 植物性メニューの提供状況:ヴィーガンメニューの有無や割合
- 食材調達の方針:地産地消、契約農家、有機栽培など
- 環境配慮の取り組み:廃棄物削減、脱プラスチック、フェアトレードなど
- 情報開示の姿勢:サステナビリティに関する方針や実績の公開度
これらは「この基準を満たす店が優れている」という判断ではありません。あくまで「こういう視点で情報を調べました」というフィルタです。情報が少ない店でも、実際には丁寧な取り組みをしている可能性はあります。逆に、情報が豊富だからといって、すべての人に合うわけでもありません。
レストラン・飲食店紹介
1. SASAYA CAFE(ささやカフェ)
場所|本所吾妻橋
店舗の特徴
公式サイトによると、「VEGAN & ALL NATURAL」を掲げ、メニューはすべて動物性食材不使用のヴィーガンフードとなっている。インドカレーやテンペカツなど、100%植物性(Plant-Based)のメニューを提供している。
サステナブルな取り組み
動物性食材を一切使用せず、できる限り農薬や化学肥料を使わずに野菜作りをする農家から米や野菜を仕入れています。公式サイトでは、フードメニューはすべて植物性のヴィーガンフードと案内されています。
この店が向いている人
完全に植物性の食事を求める人。農薬・化学肥料不使用の野菜に関心がある人。シンプルに「動物性食材を使わない食事」を体験したい人。
注意点・合わない可能性
ヴィーガン性に関する第三者認証の有無は記載なし。
お店情報
2. CHAYA Macrobiotics(チャヤ マクロビオティクス)
場所|汐留、新宿三丁目(Green Italian TORCIA)他
店舗の特徴
マクロビオティックの考え方をベースに、肉・卵・乳製品・精製白砂糖を使わない料理を中心に提供するレストラン。系列店として「EARTH BAKERY」「Green Italian TORCIA」があり、プラントベースやヴィーガンフードに力を入れている。
サステナブルな取り組み
マクロビオティック基準による肉・卵・乳製品・精製白砂糖の不使用を中心としたメニュー構成となっています(店舗により一部魚介メニューあり、ヴィーガンメニューは明確に区分されています)。系列の「EARTH BAKERY」はプラントベースにこだわり、「Green Italian TORCIA」では代替肉を使用したボロネーゼなどヴィーガンフードを豊富に提供しています。「地球の未来と環境・お客様の健康を一番に考えたサスティナブルベーカリー」といったメッセージで環境配慮の姿勢を打ち出しています。
この店が向いている人
マクロビオティックの考え方に興味がある人。精製白砂糖を避けたい人。複数の系列店で異なるスタイルのヴィーガン料理を試したい人。環境と健康の両面から食を考えたい人。
注意点・合わない可能性
一部店舗では魚介メニューがあるため、完全ヴィーガン店舗ではありません(ヴィーガンメニューは区分されています)。ヴィーガン性に関する第三者認証の有無は記載なし。
お店情報
チャヤマクロビ/ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留
Green Italian TORCIA
3. Sens & Saveurs(サンス・エ・サヴール)
場所|丸の内
店舗の特徴
有機栽培や自然栽培の野菜・果物を取り入れ、SDGsの視点を持つ生産者との連携を打ち出しているレストラン。同店が参加する日本サステイナブル・レストラン協会は、「世界のベストレストラン50」のサステナブル・レストラン賞の評価本部と連携しており、Sens & Saveursもそのアワードのファイナリストとして位置づけられている。
サステナブルな取り組み
有機栽培または自然栽培の野菜・果物を取り入れており、SDGsに取り組む生産者を応援する方針を掲げています。「プティ・フィックスコース」を提供することで小食の顧客に対応し、食べ残しによる食材の無駄を防ぐ取り組みも行っています。日本サステイナブル・レストラン協会のアワードでファイナリストに選出されています。
この店が向いている人
有機栽培・自然栽培の野菜に価値を感じる人。生産者の取り組みを支援したい人。国際的な評価基準に関心がある人。食べ残しを減らす工夫がある店を選びたい人。
注意点・合わない可能性
完全ヴィーガン店舗ではありません(ヴィーガンメニューの有無や割合は記載なし)。ヴィーガン性に関する第三者認証の有無は記載なし。
お店情報
4. Mr.FARMER(ミスターファーマー)
場所|表参道、日比谷他
店舗の特徴
全国の契約農家の野菜を使い、ヴィーガンメニューを豊富にそろえた野菜カフェとして展開している。表参道本店はオールヴィーガンカフェとして営業しているが、他店舗では店舗や時間帯によってヴィーガン以外のメニューもある。
サステナブルな取り組み
同店が定義するヴィーガンメニューでは、肉や魚に加え、動物由来の出汁や乳製品、卵、はちみつ、白砂糖も使用していません。全国の契約農家から届く「自慢の野菜」を使用しており、ヴィーガンメニュー、グルテンフリー、パワープロテインメニューなど、多様なメニュー展開をしています。
この店が向いている人
ヴィーガンメニューの選択肢が多い店を探している人。契約農家からの野菜に価値を感じる人。グルテンフリーなど他の食事制限も同時に考慮したい人。表参道店で完全ヴィーガンの食事を楽しみたい人。
注意点・合わない可能性
表参道本店以外の店舗では、完全ヴィーガン店舗ではありません(ヴィーガンメニューの割合は店舗により異なります)。ヴィーガン性に関する第三者認証の有無は記載なし。
お店情報
5. BROWN RICE(ブラウンライス)
場所|表参道
店舗の特徴
ニールズヤード レメディーズが運営し、玄米や野菜、大豆、海藻を中心にした、和食ベースのヴィーガン料理を提供するレストランとして紹介されている。四季折々の国産食材や伝統的な製法で作られた調味料を使用している。
サステナブルな取り組み
四季折々の国産食材を使用しており、伝統的な製法で作られた調味料も使用しています。野菜、大豆、海藻などを中心とした和食ベースのメニューとなっています。
この店が向いている人
国産食材に価値を感じる人。伝統的な調味料や和食ベースのヴィーガン料理に興味がある人。季節感のある食事を重視する人。
注意点・合わない可能性
ヴィーガンメニューの割合や「全メニューがヴィーガンか」の記載なし。ヴィーガン性に関する第三者認証の有無は記載なし。
お店情報
6. T’s Tantan / T’s Restaurant(T’sたんたん / T’sレストラン)
場所|自由が丘、東京駅他
店舗の特徴
公式サイトによると、「スマイルベジ」と呼ぶコンセプトのもと、肉・魚介類・卵・乳製品などの動物性食材を使わないヴィーガン料理を提供している。コンセプトとして「食のバリアフリー」を掲げ、背景や健康状態が異なる人々が同じ食卓を囲める場づくりを目指している。
サステナブルな取り組み
肉・魚介類・卵・乳製品を一切使用していません。「食のバリアフリー」を掲げ、多様な背景・健康状態の人が同じ食卓を囲める環境を目指しています。NPO法人ベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証を取得しています。
この店が向いている人
完全に動物性食材を排除した食事を求める人。アレルギーや健康上の理由で食事制限がある人。「食のバリアフリー」という考え方に共感する人。第三者認証による客観的な保証を重視する人。
お店情報
補足セクション
比較時に迷いやすいポイント
「完全ヴィーガン」か「ヴィーガンメニューあり」か
SASAYA CAFEのようにメニューがすべてヴィーガンの店もあれば、Mr.FARMER(表参道本店以外)やCHAYA Macrobioticsのようにヴィーガンメニューとそれ以外のメニューを併存させている店もあります。どちらが良いかは、誰と行くか、何を優先するかで変わります。
情報開示の濃淡
公式サイトで具体的な取り組みを詳しく説明している店(Sens & Saveurs)もあれば、「ヴィーガン対応」とだけ記載している店もあります。情報が少ないからといって取り組みをしていないわけではありませんが、判断材料としては不足を感じる可能性があります。
第三者認証の有無
本記事で確認した限りでは、T’s Tantan / T’s RestaurantがNPO法人ベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証を取得していることが確認できました。その他の店舗については、各店舗の公式サイト上にVegan SocietyやVegeProject Japanなどの第三者認証ロゴや記載は見当たりませんでした(今後追加される可能性はあります)。認証がないことが問題とは限りませんが、「ヴィーガン性の客観的な保証」を重視する場合は、直接店舗に問い合わせる必要があります。
今回は深掘りできなかった点
- エネルギー効率・再生可能エネルギー:多くの店舗で情報開示がありませんでした
- カーボンフットプリントの測定・削減:ほぼ全ての店舗で情報がありませんでした
- 労働条件・多様性:T’s Tantan(食のバリアフリー)を除き、情報がありませんでした
情報開示が十分でない点についての補足
サステナブルな外食先を選ぶ際、「情報が公開されていること」自体が一つの判断材料になります。ただし、情報開示が少ない店舗が必ずしも取り組みをしていないわけではなく、開示の優先順位や方針が異なるだけの場合もあります。
気になる点があれば、直接店舗に問い合わせることで、より詳しい情報が得られる可能性があります。
関連記事:東京のオーガニックレストラン徹底解説|認証・自社農園・ヴィーガンの違いがわかる
さいごに
東京都内のヴィーガンレストランを、公式サイトに記載されている情報をもとに整理しました。
ある店は食材調達の経路を詳しく説明し、ある店は廃棄物削減の具体策を示し、ある店は「食のバリアフリー」という理念を掲げています。また、第三者認証を取得している店もあります。それぞれに異なる強みがあり、同時に、情報が開示されていない領域もあります。
「どの店を選ぶべきか」という正解はありません。 大切なのは、あなたが何を重視するかです。
- 完全に動物性食材を排除した食事がしたいのか、ヴィーガンオプションがあれば十分なのか
- 地産地消や契約農家との関係を知りたいのか
- 廃棄物削減やエネルギー効率まで含めて考えたいのか
- 第三者認証による客観的な保証を求めるのか
- 情報開示の姿勢そのものを評価するのか
今すぐ行く必要はありません。行かない、今回は選ばない、という判断も尊重されるべき選択です。
この記事が、あなた自身の判断軸で外食先を選ぶための、一つの材料になれば幸いです。








