「防災グッズを揃えたいけれど、使い捨ての商品ばかりで環境への負荷が気になる…」そんな風に悩んでいませんか?
近年、地震や台風、豪雨などの自然災害が頻発する中で、防災への意識は高まっています。しかし、いざ防災グッズを選ぼうとすると、使い捨てプラスチック製品や化学的な材料を使った商品が多く、環境に配慮したい私たちにとっては悩ましい問題です。
また、女性特有のニーズや、実際の災害時に本当に役立つアイテムがわからず、何を準備すればよいのか迷ってしまうことも多いでしょう。
この記事では、環境への配慮と実用性を両立させた「サステナブル防災」について、女性目線での具体的なアイデアをご紹介します。持続可能な素材を使った防災グッズの選び方から、本当に役立つアイテムの見極め方まで、あなたの防災準備をより環境にやさしく、そして効果的にするヒントをお伝えします。
もちろん、生き延びるために全てエコ商品にする必要はありませんが、もし余裕があったら環境への負担が少ない商品を選んでみてください。
まず知っておきたい「女性目線の防災準備」
安心できる非常食、どんなものを選べばいい?
災害時の食事は、ただ空腹を満たすだけでなく、心の支えにもなる大切な要素です。一般的な非常食は炭水化物中心になりがちですが、女性の健康を考えると、栄養バランスを意識した選び方が重要になります。
タンパク質(レトルトの肉・魚・豆製品)、ビタミン(野菜ジュース・ドライフルーツ)、ミネラルが摂れるものを意識的に追加することで、災害時でも健康的な食事を心がけることができます。また、経口補水液やビタミンバランス補助食品も備えておくと、脱水や肌荒れ予防にも役立ちます。
火や水が使えない状況を想定し、缶詰やレトルトパウチ、乾パン・保存パン、ビスケットなど、開封してすぐに食べられるものを選ぶのが便利です。
基本的な食料備蓄リストの目安(1週間分):
- 水:21L
- レトルトご飯:21食
- レトルト食品:7個
- 缶詰(さばの味噌煮、野菜など):7缶
- 栄養補助食品:7箱
- 野菜ジュース:7本
- チーズ・プロテインバー等:2パック
- 健康飲料粉末:7袋
- 無洗米:3kg
- 飲み物:7本
- お菓子:7パック
- 果物の缶詰:7缶
参照:東京備蓄ナビ
生理用品や衛生グッズ、忘れがちだけど大切なアイテム
女性の防災準備で特に重要なのが、生理用品や衛生用品の確保です。災害時は物資の調達が困難になるため、最低でも30個セットの生理用品と基礎化粧品を備えておくことをおすすめします。
衛生用品についても、以下のような項目を準備しておくと安心です:
- 除菌ウェットティッシュ:70枚
- アルコールスプレー:1本
- マスク:7枚
- 口内洗浄液:630ml
- 携帯トイレ・簡易トイレ:35回分
- 歯みがき用ウェットティッシュ:70枚程度
- ウェットボディタオル:7枚
- 生理用品: 30 個セット
- 基礎化粧品: 1 個
これらの衛生用品は、避難生活を少しでも快適に過ごすために欠かせないアイテムです。
実際に「役立ったもの」「いらなかったもの」リスト
本当に助かった!コンパクトで使える必需品
実際に災害を経験した方々の声を集めると、本当に役立ったアイテムには共通点があります。コンパクトで多用途に使えて、日常的にも慣れ親しんでいるものが特に重宝されています。
特に評価が高かったアイテム:
- スマホの充電器・モバイルバッテリー:連絡や情報収集に不可欠
- カセットコンロ(ガスボンベ付き):停電時でも温かい食事がとれる
- 懐中電灯・ランタン:夜間や停電時の明かりとして必須
- 現金:電子決済が使えない場合に便利
- ブルーシート・ゴミ袋:雨除けや目隠し、収納など多用途
- 非常食(慣れていて美味しいもの):慣れない味だと食べづらいので、普段から試食がおすすめ
- 簡易トイレ・防臭付き:トイレが使えないときに非常に助かる
- アイマスク・耳栓などの安眠グッズ:避難所の騒音・明るさ対策
- トランプや折り紙・遊び道具:長い避難生活の気分転換に役立つ
- ほうき・ちりとり・バケツ:清掃や水運びに便利
これらのアイテムに共通するのは、災害時の基本的なニーズ(食事、照明、衛生、情報収集、心のケア)をカバーしていることです。
買ったけど出番なし…不要だったアイテム
一方で、「防災グッズ」として一般的に推奨されているものの中にも、実際の避難生活では使われなかったアイテムがあります。これらを知っておくことで、無駄な出費を避け、本当に必要なものに予算を回すことができます。
実際にはあまり使われなかったアイテム:
- コンパス(方位磁石):避難経路は事前に分かっている場合が多い
- ロープ:特殊な知識や技能が必要なため、一般家庭では使いこなせない
- カップ麺:お湯が必要なので、状況によっては食べられない
- 携帯用浄水器:水はペットボトルで配給されることが多い
- 手回しラジオ:手間の割に使わず、スマートフォン利用が多かった
- テント・大型テント:設置場所や運搬の都合で使う機会が少なく、小型で簡単な目隠しシートが現実的
- 乾パン・大量の使い捨て皿:嗜好や食事準備の状況によっては出番が少ない
- ろうそくやマッチ:火事リスクのため避難所では使用禁止が多い
- ヘルメット:建物内避難や通常生活では使わないケースも
これらの情報を参考に、本当に必要なアイテムを厳選することが、効率的で環境にやさしい防災準備につながります。
環境にやさしいエコ防災グッズ
食品:オーガニック・サステナブルな選択肢
環境に配慮した防災準備では、食品選びも重要なポイントです。持続可能な方法で生産された食材や、環境負荷の少ないパッケージを使った商品を選ぶことで、地球にやさしい防災ができます。
ヴィーガン対応のレトルト食品
植物性の材料のみで作られたレトルト食品は、動物性食品に比べて環境負荷が少なく、アレルギーの心配も少ないのがメリットです。
MSC認証を受けた缶詰
MSC(海洋管理協議会)認証は、持続可能な漁業で獲られた水産物の証です。海の資源を守りながら、良質なタンパク質を確保できます。



有機の野菜・果物缶詰
化学農薬や化学肥料を使わずに育てられた有機野菜や果物の缶詰は、環境への負荷が少なく、やさしい選択肢です。



有機野菜ジュース・飲料粉末
ビタミンやミネラル補給には、有機野菜ジュースや有機の飲料粉末がおすすめです。


保存パン
保存パンもヴィーガン対応にしませんか。長期保存できます。
衛生用品:化学物質を避けた安心素材
日用品でも環境と体にやさしい選択肢があります。特に衛生用品は毎日使うものなので、サステナブルな商品を選ぶことで大きな違いを生み出せます。
アルコール不使用の除菌用品
超電水クリーンシュシュのような電解水を使った除菌用品は、化学的な添加物を使わずに除菌効果が期待でき、環境負荷も少なくなります。

オーガニックコットンの布マスク
使い捨てマスクに比べて、洗って繰り返し使える布マスクは環境にやさしい選択肢です。オーガニックコットン100%の製品なら、肌にも優しく安心して使用できます。

マウスウォッシュタブレット
タブレット状のマウスウォッシュなら、プラスチックのゴミも減らせます。

天然素材の携帯トイレ
帆立殻と紙で作ったテラモトのエコな簡易トイレのように、天然素材を活用した製品は、使用後の環境負荷も軽減できます。

ドライシャンプー
水が使えない状況では、&SHナチュラルパウダードライシャンプーのような天然成分のドライシャンプーが重宝します。無香料からミント、ラベンダーまで選択肢も豊富です。

生活用品:長期間使える耐久性重視のアイテム
防災用品では、一度購入したら長期間使える耐久性の高い製品を選ぶことが、結果的に環境負荷とコストの両方を削減することにつながります。
再生可能エネルギーの活用
ソーラーパネルとバッテリー
EcoFlow DELTA 3 PlusやAnker Solix C800のような製品は、太陽光で充電でき、停電時も電力を確保できます。
ソーラーランタン
キャリーザサンのような折りたたみ式ソーラーランタンは、電池不要で持続可能な照明を提供します。


ソーラークッカー
火を使って調理するカセットコンロの代わりに、ソーラークッカーを使えば安全に調理できます。

繰り返し使える容器類
シリコン容器
stasherやZipTopのようなシリコン製保存容器は、使い捨てのプラスチック袋の代替になります。
携帯浄水器
Greeshowの3WAY充電携帯浄水器は、ソーラー充電・手回し充電に対応し、水の確保に役立ちます。

女性用品:エコで経済的な選択肢
女性特有のニーズに対しても、環境にやさしい選択肢があります。特に生理用品では、使い捨てではない選択肢を検討することで、長期的に大きな環境負荷とコスト削減効果が期待できます。
月経カップ
MeLunaのようなドイツ製の月経カップは、一般医療機器として認められており、10年程度使用できるため、使い捨て生理用品に比べて圧倒的にエコで経済的です。低アレルギー性で、災害時にも衛生的に使用できます。

しっかり準備をしておこう
季節ごとの見直しでムダをなくす
サステナブルな防災準備では、定期的な見直しが重要です。季節の変わり目に防災グッズの点検を行うことで、期限切れの食品や劣化した用品を早めに発見し、ムダを防ぐことができます。
春夏秋冬それぞれの季節に合わせて、必要な衣類や体温調節用品を入れ替え、電池の残量チェックや水の交換を行いましょう。この習慣により、いざというときに確実に使える状態を保てます。
日常使いできるアイテムを選ぶ
防災グッズを「災害の時だけ使うもの」と考えるのではなく、日常生活でも活用できるアイテムを選ぶことで、より実用的で経済的な準備ができます。
例えば、LEDランタンはキャンプやアウトドア活動でも使えますし、カセットコンロは普段の料理にも活用できます。オーガニック食品も普段の食事に取り入れることで、食品ロスを防ぎながら健康的な生活を送れます。
災害のときにも落ち着いて行動できるように準備しよう
どんなに完璧な防災グッズを揃えても、使い方がわからなければ意味がありません。普段から防災グッズの使い方を確認し、家族みんなで避難経路を確認しておくことが大切です。
また、近所のコミュニティとのつながりも重要な「防災資源」です。普段からご近所との関係を大切にし、お互いに助け合える関係を築いておくことで、災害時により安心して行動できるでしょう。
小さな選択が大きな変化を生む
環境にやさしい防災準備は、決して難しいことではありません。今回ご紹介したように、オーガニック食品を選んだり、繰り返し使える用品を選んだり、日常的にも使えるアイテムを選ぶだけで、地球にやさしく、家計にもやさしい防災ができます。
もちろん、自分が使いやすいアイテムを選ぶのが一番なので、取り入れられるところから取り入れてみてはいかがでしょうか。今ある防災グッズを見直すところから、新しく追加するアイテムを環境にやさしいものに変えるところから、あなたのペースで始めてみてください。
あなたの小さな選択が、家族の安全を守り、環境を守り、そして未来の子どもたちにより良い地球を残すことにつながります。今日から、サステナブルな防災生活を始めてみませんか?
一人ひとりの意識の変化が、社会全体の大きな変化を生み出す力になります。あなたも、環境にやさしい防災準備を通じて、持続可能な未来づくりに参加してみてくださいね。