多くの人と同様に、私もお金を貯めるのが苦手だ。余分なお金があると、つい無駄遣いをしてしまう。誘惑はたくさんある。お金を使うのは簡単だが、貯めるのは難しい。
最近、私たちのお金の使い方と、過剰消費が地球の生態系に与えるダメージには深い関連があると感じている。暇だから、無制限にお金を使うことはできない。私は今のこんな生き方を変えたいと切実に思っている。
そこで、節約をしながらサステナブルな生活ができるのではないかと考えた。お金を節約すれば心に余裕が生まれる。緊急時のためにお金があると安心できる。また、仕事の内容や働く期間も自分で選べるようになる。
私の地球を大切にしながらお金を貯めるための計画を紹介したいと思う。
地球を救うためにお金を使わない
サステナブルな生活はコストがかかるというイメージがある。生産がエシカルで持続可能な商品は、その分価格も高くなる。だから、持っている物をすべて持続可能な製品に置き換えると、非常に高額になってしまう。
しかし、お金をかけずにサステナブルな生活を送る方法がある。過剰生産と過剰消費は環境破壊の最大の原因だ。商品の生産と世界中への輸送には膨大なエネルギーが必要で、それらの商品は数ヶ月後には有害なゴミとなって自然に還る。よく考えてみれば、最も持続可能なアクションは、新しい商品を買わないことだ。
地球とお金を守るために、少ないもので暮らすことから始めたいと思う。仏教の僧侶が書いた本によると、物を減らすことで精神的な豊かさが得られるという。お坊さんのような穏やかな禅の心で生活ができたら、どんなに素晴らしいことだろうと想像する。
買う物を減らすことは、お金を節約するための一番の戦略でもある。大抵、人は少ないお金でより多くのものを買おうとして、お得な商品やセールを探し回るが、必要のないものを買わないことのほうが、節約になる。さらに、セール品を探す時間と労力も節約できる。
サステナブルな節約のための9つのルール
お金を使わないことの利点は理解しているが、実行するのは簡単ではない。生活を変えるには時間がかかる。そこで、お金と地球を守るための具体的なルールを考えてみた。
洋服は年に1、2回しか買わない
服は経済的にも環境的にも大きな負担となる。服の大量生産は地球へのダメージとなっている。食べ物や住まいに比べて、服を減らすのは簡単だ。しかし、誘惑はたくさんある。街中でもSNSでも、広告は私たちに買うように訴える。
誘惑に負けないように、簡単な解決策がある。服を買うのは年に1、2回に限定すること。暖かい季節と寒い季節の前に持っている洋服をチェックし、買い替える必要がある服のリストを作る。
買い物に使う労力も減らせて、一年で洋服に使うお金も把握できるシンプルで効率的な方法だ。
セールだからって買わない
セールがあると、つい財布に手を出してしまう。節約のチャンスを逃したくないという気持ちになるからだ。だから、セールや値引きのときには買い物をしないというルールを作った。セールでお得な商品を買うよりも、買わないほうが節約になるから。
中古品を買う
お金を節約しながら地球環境を守るために、中古品を優先的に選ぶ。中古品は通常安価で、何より環境への負荷が少ない。
在庫を持たず、なくなったら買う
まとめ買いは一見お得に見える。単価は確かに安くなるが、使い切れないリスクがある。私の場合、ストックを買うと存在を忘れがちだ。そして何年もクローゼットに眠ったまま、気づいた時には必要なくなっている。
それに比べて、物がなくなってから買う方がはるかにシンプルだ。無駄も出ないし、収納スペースも節約できる。
賞味期限切れの安い食品を買う
食品に限っては、セールや値引きを積極的に活用する。フードロスは現代社会の深刻な問題だ。人間にとって、必要不可欠な食品を無駄にするわけにはいかない。
賞味期限切れ間近の値引き食品を買うことで、お金の節約と食品ロスの削減を同時に実現できる。まさに一石二鳥だ。
家で料理を作る
料理は手間と時間がかかるが、長期的に見れば節約になる。出来合いの食品やテイクアウトは割高だ。また、自炊すれば新鮮な野菜を多く摂取できる。
料理をしたくない日もあるが、節約と健康的な生活のためには重要な習慣だ。
ひとつの製品を多目的に使う
お店に行くと、どんどん部分的に専門性のある商品が増えているような気がする。台所を掃除する商品とお風呂場を掃除する商品など、どんどん細かく分かれていく。スキンケアでも、目の周りに使うクリームや朝・晩専用のローションなどピンポイントで使う商品が見られる。箇所が分断化されるほど、買わなければいけない商品が増える。しかし、多くの場合はシンプルな多目的で使える製品で十分だ。
掃除と洗濯両方に使える商品を1つにして、スキンケアも保湿と紫外線対策の2つの商品があれば十分。これだけでも大きな節約になる。
SNSから距離を置く
多くの人と同様、私もSNSに長い時間を費やしてしまう。興味のある人の投稿を見たり、友人とつながりたいだけなのに、スクロールすると新製品の広告が次々と表示され、無視できなくなる。
SNSを見ていると、新しいものを買いたい衝動を抑えるのは困難だ。だから、SNSの利用時間を制限することが節約にもつながる。
サステナブルな趣味を見つける
SNSと同様、私は自由時間の大半を買い物に費やしていることに気づいた。買い物が主な娯楽である文化の中で育ったからか、買い物は社交の場所でもあり、歩き回ることで運動の時間にもなっていた。だから、買い物を控える時、時間の使い方を見直す必要がある。
代替案はたくさんある。読書、アート、スポーツ、自然散策、ガーデニングなど、買い物以外にもできることはある。新しい活動に慣れるには時間がかかるが、新しい楽しみを見つけていきたい。
お金が有り余っているとき
お金に困っている時に節約をするのは、それほど難しくない。しかし、お金が余っている時こそ、意識をして節約をしなければいけない。余ったお金で何が買えるかを考え始め、生活をアップグレードしたくなる。
節約を継続しながら地球を守るためには、収入が増えた時のための追加ルールが必要になる。
小規模の企業にお金を使う
サステナブルな企業の倫理性や環境配慮を判断するのは年々難しくなっている。一社一社調査するのは手間がかかりすぎて、結局調べるのを諦めてしまう。
それよりも、大量生産をしていない小規模の会社の商品を買うと決めたほうが簡単だ。大量生産をベースとしている大企業と違って、環境への負担が少ない。
経験やサービスにお金を使う
物を買う以外にも、お金の使い道はある。新しい経験のためにお金を使うこともできる。数ヶ月で不要になるような物で部屋を埋め尽くすのではなく、新しい学びにお金を使うほうが有効的な使い方だ。
新しい場所に行って新しい経験を重ねることができるし、新しいスキルを学ぶためにレッスンを受けることもできる。これなら資源の消費を抑えながらお金を有効活用できる。
報道にお金を使う
現代では情報は豊富だが、信頼性に欠けることが多い。だからこそ、質の高いジャーナリズムがこれまで以上に重要になっている。ネットの無料情報が増えた結果、ジャーナリズムは存続の危機に直面している。余裕があれば、良質なジャーナリズムのために投資したい。
節約は継続が大切
今までしてきた生活を一夜にして変えることはできない。変化には時間がかかる。イライラすることもあるだろうし、悪い習慣に戻ってしまうこともある。しかし、この地球でもっと有意義な生活を送るには、少しの努力が必要だと思う。どんなに変化が難しくても、努力することに価値があるはず。