食品ロスを減らすには?現状やエコな取り組みを紹介

フードロスについて解説します。日本や世界のフードロスの現状や、私たちもできるフードロスへの取り組みを紹介しているので、参考にどうぞ。

環境問題について考えるとき、食品ロスが取り上げられます。気候変動で多くの国で食の供給が不安定になっている中、日本でも世界でも食べられないで廃棄されてしまう食べ物があります。

SDGsの目標にも、「2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減 させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。 」と挙げられています。私たちも努力してフードロスを減らす必要があります。

この記事では、フードロスの現状と取り組みについて紹介します。ぜひ今日から取り組んでみてください!

食品ロスとは?今の現状は?

フードロスとは、まだ食べられるはずの食品が捨てられることを言います。フルーツの芯や魚の骨などの食品廃棄はフードロスにはカウントされません。

英語で「Food Loss」は収穫されてから、お店に並ぶまでに廃棄された食べ物のことを言い、家庭で廃棄される食べ物は「Food Waste」と呼びます。日本語では、どちらも「フードロス」や「食品ロス」と言われています。

国際連合食糧農業機関の情報によると、一年で13億トンの食べ物が食べられずに廃棄されています。フードロスによる一年の二酸化炭素排出量は、33億トンにおよびます。

生産された食品の14%は収穫から店頭に並ぶまでに廃棄され、17%は家庭や飲食店で廃棄されています。家庭では生産量の11%の食べ物が廃棄されているので、私たちが家庭でフードロスを減らそうと努力することが大切です。

日本でも毎年、多くの食品が廃棄されています。環境省のデータによると、令和2年の1年間のフードロスの量は522万トンでした。事業の廃棄は275万トンで、家庭での廃棄は247万トン。家庭での廃棄も多いですね。

フードロスの主な原因

先進国と発展途上国では、フードロスの原因が違います。WFP国際連合世界食糧計画によると、先進国では家庭でのフードロスが多いのに対し、発展途上国では収穫のときのフードロスが多いと言われています。発展途上国では、食料を保管するストーレッジや無駄なく収穫するためのテクノロジーの提供が大切になります。

日本では、食品メーカーの厳しい品質管理によりフードロスが生まれています。食品メーカーでは、賞味期限の3分の1ルールがあり、賞味期限の期間の1/3の期間の間に納品しなければいけないという決まりです。賞味期限が6ヶ月なら、1/3の期間の2ヶ月以内にスーパーに納品しなければなりません。スーパーから返品された商品はディスカウントショップに卸されますが、8割は廃棄されるそうです。

2021年に農林水産省は、食品メーカーや卸売業への食品ロス削減に呼びかけ、142業者が3分の1ルールの緩和を検討しています。

消費者が賞味期限の短い食品から積極的に購入することで、フードロス削減につながります。

フードロスはどうして問題なのか?

コロナウイルス・気候変動・戦争によって、食糧の供給の確保が重要視されています。食べられる食品の廃棄を防ぐことで、より多くの人が食べ物を手に入れることができます。

国際連合の情報によると、2021年に世界で8億2800万人が飢餓に苦しんでいます。コロナウイルスのパンデミックから1億5000万人も増加しています。フードロスを減らし、世界の人々が必要な食料が手に入るように対策を考える必要があります。

フードロスによる環境への影響も考えられます。国連の2021年のレポートによると、フードロスはグリーンハウスガスの排出量の8〜10%を占めています。食料を作る過程で多くの資源が使われており、廃棄する過程でもグリーンハウスガスが排出されます。

日本では、食料自給率の割合の低さが問題視されています。農林水産省のデータによると、令和3年のカロリーベースの食料自給率は38%でした。カナダの食料自給率は233%、アメリカは121%、フランスは131%、ドイツは84%と、世界の国に比べても日本の自給率は低いことが分かります。

食料の自給率を上げると同時に、フードロスを減らすことは重要です。

フードロスの取り組み

フードロスのどんな取り組みがあるのか紹介します。

世界の取り組み

フランス

フランスでは、2016年の法律で売れ残りの寄付の義務化や、まだ食べられる食材を食べられないようにして廃棄することを禁止しました。それまでは、売れ残りの食べ物を廃棄する際に、ゴミ漁りを防ぐために洗剤などをかけて食べられないようにしていたスーパーやレストランがありましたが、まだ食べられる食品が有効に活用されるように法律で規制されました。

2018年には、レストランで食べ残した場合、ドギーバックでの持ち帰りの義務化。2021年には、試験的に食堂での予約システムの導入を推進しています。会社や学校の食堂で食事を事前に予約することで、作りすぎによるフードロスを防げるのではないかと実験しています。

韓国

韓国では、食べていない食料をコンポストするためのバッグを購入して捨てるシステムを導入しています。3Lバッグは一枚300 won(31円)で、回収された食料はバイオガス・家畜の飼料・肥料としてリサイクルされます。有料にすることで、フードロスへの意識を高めることにつながります。

デンマーク

デンマークでは、2016年にフードロススーパーが作られました。週に2回ローカルスーパーで果物や野菜の売れ残りを回収し、フードロススーパーで提供しています。お客さんは20 kroner(280円)の布バッグを購入し、その袋に入るだけの食べ物を持って帰れるという仕組みです。お金も節約でき、環境にもやさしくてWin Winです。

日本での取り組み

日本では、2000年に農林水産省が食品リサイクル法を定めました。食品製造業・食品加工業・飲食店 食品廃棄物の削減と、食品廃棄物のリサイクルを推奨しています。

2019年には、食品ロス削減推進法を定め、事業や自治体へのフードロス削減を呼びかけています。食べきり運動やおいしい食べきりなど、外食での食べ残しを持ち帰るドギーバッグの導入を推奨しています。

私たちにできること

家庭でのフードロスも多い現状があります。一人一人がフードロスを減らす努力が大切です。

賞味期限が近いものを買う

買い物をするとき、賞味期限が先の奥にある商品を選んで買ったことはありませんか。買うなら、長持ちするものを買いたいと思いますよね。しかし、賞味期限の近い商品が売り残り、フードロスにつながります。賞味期限が近いものから買うようにしましょう。

賞味期限と消費期限の違いを理解することも大切です。消費期限は、期限が過ぎると安全性が懸念されます。しかし、賞味期限はおいしく食べられる期間を示しているので、期限が過ぎても食べられます。賞味期限が過ぎて、1〜2ヶ月以内に食べたほうがいいです。保存状態によって、早くダメになってしまうので、できるだけ早く食べましょう。

食べられる部分を無駄にしない

肉・魚・野菜を調理するときに、食べられる部分をすべて使うようにしましょう。皮の剥き過ぎないようにし、使える部分を全部調理しましょう。クックパッドでフードロス削減のためのレシピを参考にしてもいいですね。

またオーガニック野菜を買うと、皮まですべて食べれるので、フードロスを減らせます。

買い物をする際に食べる分だけを買うようにし、食べきれない野菜は冷凍したり乾燥させたりして保存するといいでしょう。

地産地消を心がける

近くで生産された食品を食べることで、運送でのフードロスを減らせます。国産の野菜や果物を買うようにしましょう。

形がいびつな野菜や果物はスーパーの規格に合わなく、市場に販売されない場合があります。食べチョクやポケマルなどのアプリで、農家から直接野菜を購入すると、規格外の野菜や果物を購入できます。

食べチョクで極甘フルーツをお取り寄せする

フードシェアリングサービスを使う

フードロス削減のため、売れ残りの食品を購入できるサービスも増えています。TABETEというアプリは、レストランやパン屋で売れ残りを少し安い値段でレスキューできます。

TOYOSU ICHIBAでも、魚・肉・果物などを安い値段で購入できるフードロス削減サービスを展開しています。tabeloopロスゼロでもフードロス対策で規格外食品や訳あり食品を通販で販売しています。rebakeでは、まだ食べられるのに売れ残ってしまったパンを購入し、冷凍して送ってくれる通販です。

フードロスに取り組もう!

フードロスを減らすために、家庭でできることもたくさんあります。買い物の仕方を変えたり、フードロス削減につながる商品を買うようにすることで、おいしい食べ物が食べられ、お金も節約できます。

スーパーで賞味期限が近い食品を買うようにしたり、食材を最大利用できるように調理するようにするのも効果的です。

食べ物を大切にする気持ちを忘れずに、感謝しながらおいしく食事を楽しみたいですね。