エコラッピングで叶える、心と地球に優しい贈り物

クリスマスや誕生日、特別な記念日に大切な人へ贈るプレゼント。その喜びの瞬間を彩る美しいラッピングですが、開けた後の包装紙やリボンはどうなるでしょうか。多くの場合、一度きりの役目を終えてゴミ箱へと向かいます。

私自身、以前はデパートで丁寧に包装してもらったプレゼントを贈ることに何の疑問も持っていませんでした。でも、サステナブルな暮らしに関心を持つようになってから、「この華やかな包装は本当に必要なのだろうか」と考えるようになったんです。贈る気持ちは変わらないのに、環境への負担を減らせる方法があるなら、試してみたい——。そんな想いから、エコラッピングに出会いました。

エコラッピングとは、再利用可能な素材や家にあるものを使って、環境に優しく包装すること。難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は誰でも今日から始められる簡単な工夫ばかりです。この記事では、初心者でもすぐに実践できるエコラッピングのアイデアと、おしゃれに仕上げるコツをご紹介します。

そもそもエコラッピングとは?なぜ注目されているの?

“贈る”の価値が変わる|環境に優しいギフト文化とは

プレゼントを贈ることは、大切な人に感謝の気持ちや愛情を伝える素敵な機会です。しかし、その一方で気になるのが、プレゼント包装から出るゴミの量。美しく包まれたギフトを開ける瞬間は嬉しいものですが、その包装紙やリボン、プラスチックの飾りは、一度使われたらすぐにゴミ箱行きというのが現状です。

さらに最近では、オンラインショッピングが日常化し、配送用の段ボールや緩衝材など、包装にまつわるゴミはますます増える一方。私たちの便利な暮らしの裏側で、環境への負荷は確実に大きくなっています。

ゴミを減らす包装が求められる理由

では、実際にどれくらいの包装ゴミが出ているのでしょうか。2019年の調査によれば、アメリカ人は毎年平均50億ドルをギフト包装に費やしているとされています。この数字は、私たちがいかに多くの使い捨て包装材を消費しているかを物語っています。

また、イギリスでは2014年から2019年の間に、市場に投入される紙・カード包装材が5%増加し、500万トンに達しました。特に小売業の宅配業者が30万トンもの紙包装を排出しており、オンラインショッピングの普及が包装ゴミ増加の大きな要因となっていることがわかります。

プラスチック削減の世界的な流れもあり、今、使い捨ての包装を見直す動きが加速しています。

再利用できる包装=お金も環境も節約できる新しい豊かさ

そこで注目されているのが、「再利用できる包装」——つまり、エコラッピングです。一度きりではなく、何度も使える素材で包むことで、ゴミを減らし、資源を大切にする。それは環境への配慮だけでなく、包装材を繰り返し買う必要がないため、お財布にも優しい選択です。

日本には古くから風呂敷という素晴らしい文化があります。一枚の布で、さまざまな形のものを美しく包み、持ち運ぶ。そして使い終わったらたたんでしまっておき、また次の機会に使う。私たちの暮らしにもともと根付いていたこのサステナブルな知恵を、今こそ現代のギフトシーンに取り入れる絶好のタイミングではないでしょうか。

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家にあるものでできる!簡単エコラッピング5選

エコラッピングと聞くと、「難しそう」「特別な材料が必要なのでは?」と思われるかもしれません。でも実は、家にあるものを使って、今日からでも始められるんです。ここでは、初心者でも気軽にトライできる5つのアイデアをご紹介します。

紙袋の再利用|ギフトバッグとして活かす

ショッピングでもらった紙袋、捨てずに取っておいていませんか?その紙袋こそ、立派なギフトバッグになります。シンプルに上部を折り返し、麻紐やリボンを結ぶだけで、おしゃれなギフト包装の完成です。ブランドのロゴが目立つ場合は、内側に折り返すか、クラフト紙で覆うとナチュラルな印象に仕上がります。

新聞紙・雑誌|モノトーン風のクールな包装に

意外かもしれませんが、新聞紙や雑誌は包装紙の代わりとして優秀です。特に英字新聞を使うと、モノトーンでクールな雰囲気になり、写真映えも抜群。雑誌の中のお気に入りのページを選んで包めば、相手の好みに合わせた個性的なラッピングも楽しめます。

リボンの代わりに麻紐や余り紐を活用

華やかなリボンもいいですが、麻紐や余った紐を使うと、ナチュラルで落ち着いた雰囲気に。麻紐は丈夫で長持ちするので、受け取った側も再利用しやすく、サステナブルな贈り物の精神をしっかり伝えられます。

余り布・スカーフでくるむ|即席”布ラッピング”

使わなくなったハンカチやスカーフ、端切れの布があれば、それもラッピング材料に。柔らかく包めて、形を選ばないのが布の良いところ。受け取った人もそのまま布として使えるので、包装がギフトの一部になります。

風呂敷ラッピング|包むだけで美しく、何度でも使える

エコラッピングの代表格といえば、やはり風呂敷です。日本の伝統的なサステナブル文化であり、一枚あれば一生使えるというのが最大の魅力。繰り返し洗って使えて、どんな形のものでも包めます。

手軽な基本の包み方としては、「おつつみ」がおすすめ。箱の形に合わせて四隅を結ぶだけで、誰でも美しく包めます。ボトルギフトには「ワイン包み」が便利。風呂敷の中央にボトルを置き、対角線上の角を結んで持ち手を作れば、持ち運びもラクラクです。

風呂敷は色や柄のバリエーションも豊富で、季節や相手の好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。冬ならシックな色合い、春なら明るい花柄など、贈るシーンに合わせてコーディネートできるのも魅力。さらに、風呂敷そのものをプレゼントとして贈れば、受け取った人も日常で使い続けられ、サステナブルな輪が広がります。

おしゃれに見せる3つのコツ|初心者でも失敗しないポイント

エコラッピングに挑戦してみたいけれど、「地味に見えないかな?」「手作り感が出すぎてしまわないかな?」と不安になる方もいるかもしれません。でも大丈夫。ちょっとしたコツを押さえるだけで、誰でも洗練されたギフトに仕上げられます。

色と素材の組み合わせを固定化する

まずは「自分の定番」を作ることをおすすめします。たとえば、「クラフト紙+麻紐」「白い布+黒い紐」など、色と素材の組み合わせをいくつか決めておくと、迷わずスムーズにラッピングできます。統一感のあるスタイルは、それだけでセンスよく見えるもの。自分らしい組み合わせを見つけてみてください。

包装を”盛らず”に最小限にする

過剰な装飾は、かえって野暮ったく見えることも。シンプルに包んで、アクセントを一つ加えるくらいがちょうどいいバランスです。ドライフラワーを一輪添える、タグを手書きで添えるなど、小さな工夫で十分おしゃれに仕上がります。

風呂敷や布は”結び目”をデザインにする

布を使ったラッピングの場合、結び目そのものがデザインのポイントになります。きちんと結んで形を整えるだけで、一気にギフト感がアップ。結び方を少し変えるだけで印象も変わるので、いろいろ試してみるのも楽しいですよ。

今日から試せる一歩|エコラッピングを続けるコツ

エコラッピングは、一度やってみると意外と簡単で、続けやすいものです。でも、「材料をどう探せばいいの?」「毎回準備するのが面倒そう」と感じる方もいるかもしれません。そこで、無理なく続けられる工夫をいくつかご紹介します。

もらった包装材をストックする方法

プレゼントをもらったときの紙袋やリボン、箱などは、捨てずに「ギフトボックス」としてまとめて保管しておきましょう。リビングの一角や収納棚に専用の箱を用意して、再利用できそうな包装材を入れておくだけ。次に誰かにプレゼントを贈るとき、そこから選べば準備も楽ですし、ゴミも減らせて一石二鳥です。

再利用しやすい素材を日常に取り入れる

エコラッピングを習慣にするには、必要な素材を手元に揃えておくことが大切。風呂敷を一枚、麻紐を一巻き、小さなクラフト袋を数枚——。これだけあれば、急なプレゼントにも対応できます。日常の買い物のついでに少しずつ揃えておくと、いざというとき困りません。

“自分らしい贈り方”をテーマにする

エコラッピングの魅力は、ただ環境に優しいだけでなく、創造性が生まれること。既製品の包装紙では出せない、自分らしさや温かみを表現できます。「どんな素材で包もうか」「どんな色合いにしようか」と考える時間そのものが、贈り物への想いを深めてくれるはずです。

サステナブルな選択は、制限ではなく、新しい楽しみの扉を開いてくれます。ぜひ今日から、あなたらしいエコラッピングを始めてみてください。

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